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[ 時代・歴史ミステリ ]
砂洲にひそむワニ
エジプト学者アメリア・ピーバディ
エリザベス・ピーターズ 出版月: 2011年02月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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原書房
2011年02月

No.1 6点 mini 2014/01/23 09:57
昨年度後半はミステリー作家の訃報が相次いだ年だった、数年前のフランシスやパーカーが相次いで亡くなった年ほどの大物感はないが、個性派は多く残念である、合掌
追悼したい作家がまだあと3人残っていて、今年上半期までには追悼書評したい、今回は昨年8月に亡くなったエリザベス・ピーターズ

紛らわしいのだがエリス・ピーターズとエリザベス・ピーターズとは全くの別人である、国籍も英米と違うのだが一方で共通点も有りどちらも歴史ミステリーの分野なのだ、これではたしかに紛らわしいな
エリザベス・ピーターズには図書館司書(後に作家に転身)ジャクリーン・カービーのシリーズが有り扶桑社文庫の3冊は全て入手容易だ、その為かこのシリーズだけでこの作家名を御存じの方も多いと思う
しかしジャクリーン・カービーのシリーズは数が少なく、20作近くという全体数の多さから見ても作者のメインのシリーズは明らかにエジプト学者アメリア・ピーバディのシリーズである
ところがこっちのシリーズの邦訳は原書房のハードカバー版1冊のみ、MWA巨匠賞まで受賞した作家にこれはいかんよ、各出版社なんとかして欲しい
日本の読者にはマイナー視されているが実は本国では大物作家的存在というのはそれこそ何人も居るが、アメリカの現代ミステリー作家名を挙げるリストにもよく名前が載るなど、エリザベス・ピーターズもそんな1人なのである
「砂洲にひそむワニ」はシリーズ第1作で、MWAが選ぶベスト100にも入っており、ジャンル別の歴史ミステリー分野のベスト10入りしている作者の代表作だ
謎解き的にはミイラの正体と犯人の推測は容易で大した事は無いが、舞台のエジプト考古学発掘現場も魅力的でサスペンス小説としても味がある、この辺はエジプト学者という作者の本職が活きている、主役のアメリア・ピ-バディはモデルは居るにしても作者の分身でもあるだろう
惜しむらくはヴィクトリア朝期の歴史ミステリーなのに、舞台が英国ではなくてローマやエジプトなので、あまり時代性が感じられず現代っぽくなってしまっていて、歴史ミステリーとしての魅力に欠ける
現代作品だから原書房得意のヴィンテージシリーズではないが、原書房がなぜこれを単発的に出したのかそれが一番謎だ


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エリザベス・ピーターズ
2011年02月
砂洲にひそむワニ
平均:6.00 / 書評数:1
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