皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 本格 ] ハーヴァードの女探偵 ケイト・ファンスラー教授 |
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アマンダ・クロス | 出版月: 1996年04月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 2件 |
三省堂 1996年04月 |
No.2 | 6点 | nukkam | 2015/11/08 07:52 |
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(ネタバレなしです) 1981年発表のケイト・ファンスラーシリーズ第6作です(英語原題は「Death in a Tenurned Position」です)。名門ハーヴァード大学に初の女性教授誕生というニュースに男性教授たちが様々な反応を見せるところから物語が始まります。フェミニズムを取り上げているのがこの作者らしいですが、本書の場合はケイトが探偵活動の方に集中していますのでフェミニズムが苦手な読者にも受け容れ易い本格派推理小説だと思います。もっとも戦うタイプの女性でないと世渡りが難しいような結論になっているのがこの時代ならではでしょうか。謎解きは通常だと不満の残りそうな真相ですが、動機の説得力で支えています。 |
No.1 | 6点 | mini | 2009/10/28 10:06 |
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アマンダ・クロスは海外の名作表にはよく載っていて話題に引用される作家名だったが今まで未読だった
実は意外と翻訳には恵まれていて5冊も紹介されているが、問題は版型なのだ 4冊はミステリー出版ではややマイナーな三省堂でしかもノベルス風な新書版、1冊は講談社だが文庫ではなく四六版ソフトカバーという中途半端な出版形態 しかも翻訳者はばらばらで題名にも統一感が無い これだったら文庫でなくても普通にハードカバーででも出しておけば良かったのにって感じだよなぁ よく本格という概念を狭く形式的に捉えてテンプレート化し、その形式に近いかどうかで評価するような書評がネット上でも蔓延しているが、その手の書評者には受けないタイプの作家だと思う この作も事件現場の実地検分などの場面はほとんど無くて、大部分は関係者との会話が中心だし 私は本格というもの対してある種の一般型を求める読者じゃなくて、作家個々の個性を重んじるタイプの読者なので、クロスに関しては個性的だしこれはこれでありだと思った クロスはよく”フェミニズムをミステリーに持ち込んだ先駆者”と言われているが、思想的には後の女探偵ものの興隆にも通じるものが有るのかも知れ無いが、自身は純粋に本格作家であって女捜査官ものなどの直接の元祖とは違う気もする この作品もしつこい位徹頭徹尾にフェミニズムを話題にしていて、海外での高い評価もその辺なんだろうが、まぁ日本の読者には合わないんだろうなきっと |