皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 警察小説 ] マークスの山 合田刑事シリーズ |
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高村薫 | 出版月: 1993年03月 | 平均: 6.14点 | 書評数: 35件 |
早川書房 1993年03月 |
講談社 2003年01月 |
講談社 2003年01月 |
新潮社 2011年07月 |
新潮社 2011年07月 |
No.15 | 8点 | モトキング | 2004/06/01 17:20 |
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傑作。 どこが、とか、どんな風に、といった言葉の必要のない。何か訳のわからない達成感がある。 それは、まだ頭頂部に残雪が積もっている春山の頂上に立っているかのような感覚。 この作品には2つの物語と2人の主人公がいる。 一方は、警察内部の、少し過剰なほどに人間性を剥き出しにし合った警察官の群れの中で、日々能動的に生き続ける人間性を失いつつある一人の刑事。その中で擦り切れ鈍化していく己の自我を自覚しつつも、これまでの生き方を方向転換する気力も、その必要性も見いだせない男の、しかし反射的な行動の連続を積み重ねて捜査を続けていく様が描かれている。 一方は、過去の某かに伴い、人格が明と暗の2極に分かれ、社会的な底辺を彷徨うことを余儀なくされた、刹那な人間的感情の積み重ねで生きる一人の犯罪者。恐らくは、自身の中の2極が、短い人生の中で立ち止まることなく変化し、融合していき、いずれは息絶えてしまうしまうシステムを無意識に認識している男の、最後の花火のような圧倒的人間性の発露が描かれている。 結局、事件発生後、生きて二人が対面することは無く、そして、表面上、2つの精神構造は、全くリンクせず、影響し合う機会すらなかったが、最後、雪山の頂上で、死者と生者という立場で2者が遭遇したとき、我々は言いようのない感覚を抱かざるを得ない。 この瞬間が、このほんの意味。 そう感じた。 |
No.14 | 9点 | chii | 2004/05/16 00:17 |
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最初と最後の水沢の印象が全然ちがかった。読み終わったあとも印象が大きい作品♪ |
No.13 | 2点 | るてなん | 2004/02/28 22:17 |
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高村薫の作品にはどうも感情移入できない。読者をぐぐっと引きつける物がない。キャラに魅力がない。こんな感想私だけかな? |
No.12 | 4点 | ぶんぶん | 2004/02/07 22:25 |
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ティーンエイジャーには内容的におもしろくなかった。しかも改行が少なかったのでヒーヒー言いながら読みました。辛かったです。。 |
No.11 | 5点 | 日影門 | 2003/08/27 23:08 |
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ミステリじゃないですよね、これ? 合田雄一郎の苦悩するヒーロー譚でしょ(あんまりヒーローらしくないけど。ズック洗うヒーローって見たことない)。 著者は「小説」として執筆しているので、ミステリの要素は薄いけど、そこは豪腕高村薫、読ませます。精神病理と警察機構に興味のある人向き。 |
No.10 | 6点 | 由良小三郎 | 2003/08/13 23:22 |
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こういう警察の書き方も新鮮ではあるけれど、横山さんとか他の作家の警察ものなんかと比べてセクショナリズムこうまですごくはないだろうと思いました。ストーリもやや無理な設定という感じがあります。 |
No.9 | 7点 | えむ | 2003/08/06 10:14 |
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警察組織を相当に勉強したのが窺がえる。 本作にえがかれる刑事や警察組織には 生々しい現実感がある。 ただ、事件にかかわった側にたいして、 もうすこし迫った描写があったほうがよかったのではないか。 |
No.8 | 7点 | ろん | 2003/07/16 13:41 |
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文句なしに面白い作品だけれど、期待しすぎちゃったかな・・・、満点な内容ではなかったような感じです。 それとは別にいまひとつだった点は、真知子が撃たれた後の祐之の心理状態を書いて欲しかった点と、木原がなぜ、自分の首を絞める事になる浅野の遺書を保管していたのかという点ですね。 |
No.7 | 10点 | kenichi | 2003/06/30 00:36 |
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すごいですよ。警察内部が特に。合田さんはトミーズ雅に演じてほしいと思ったです。 |
No.6 | 7点 | BJ | 2003/03/17 22:24 |
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ひさびさにストーリーに引き込まれた。 けど、水沢と山の事件の関連が弱すぎるのでは?と思われた。 |
No.5 | 5点 | 医学研究者 | 2003/03/07 12:51 |
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タイトルの由来が陳腐です。この小説が広く読まれることに理解を示しますが、日本の作家と読者の成熟を願いつつ読み進みました。 |
No.4 | 9点 | 麻里 | 2003/02/26 19:58 |
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途中で飽きることなく、一気に読み終えました。 あっと驚く展開はなかったものの、満足です。 |
No.3 | 9点 | tetrapot | 2002/01/10 07:08 |
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高村薫はこれがやっぱり一番かも… 珍しく破綻してないし。 警察側も犯罪者の側も人物が魅力的。捜査の過程もスリリングだし… ただアラをつけるとしたら動機が… 2つの犯罪の2つとも動機が今ひとつという気がするのがちょい残念。 でも大傑作には間違いない |
No.2 | 9点 | 小太郎 | 2001/05/28 18:06 |
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リアルで重い、大人の小説です。 |
No.1 | 9点 | アデランコ | 2001/04/27 16:27 |
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警察の捜査を細かく描いており、勉強にもなった。 過去の事件と現在の事件を、わずかな証拠で突き止めていくのには警察の苦労が身にしみてわかりました。 |