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[ 本格/新本格 ]
ソクラテス最期の弁明
小峰元 出版月: 1975年03月 平均: 4.75点 書評数: 4件

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講談社
1975年03月

講談社
1976年09月

No.4 5点 斎藤警部 2022/03/28 11:54
「美しく素晴らしく死にたいと思ってる若者は多いのですから。」

N’夙川BOYSの先輩達が神戸⇔大阪間で繰り広げる、犯罪◯◯◯青春ダークサイドストーリー(のくせにタッチは明るい)。 須磨海岸で年増女の全裸屍体が上がる所からスタート。屍体の横には男子高校生。見ていたのは監視員の男子大学生とワケあり爺。 視点人物転換やらストーリー交錯やらで自然と「探偵役を探せ」興味が湧き上がる。なんなら被害者の意外性も。更に言ってしまえば■■まで・・・このへんの込み入った関係性、けっこう最後は炸裂します。 「解決篇」の構成、現在の会話と過去の◯◯との短いカットバックが醸し出すスリルや良し。 物語にしっかりした軸が一本通ってない感はちょいとある。そのおかげで謎が深く見えている効果も一方にあるけど、トータルでは微妙な所か。 小技効かせて効果は大きい物理トリックも、明かされる全体像(それなりにビックリ!)も、人間関係描写も、どこか締まりを徹底してないよな悪い緩みが残ります。でも全体的に、早く話の先を知りたくなる推進力、面白さはあるんですよね。 単独の人間描写で言うなら、一人(ギリ二人?)だけ突出してヴィヴィッドに浮かび上がる魅力的キャラクタがいたな。他にも、魅力あるかはともかく、クセの強い登場人物群には事欠きません。 ところで、自動車事故の物理トリックに直接繋がった、或る人物の或る「癖」だが、ちょいと気持ち悪くないですか。

No.3 5点 nukkam 2014/11/11 13:48
(ネタバレなしです) 1975年発表の長編第3作です。講談社文庫版の巻末解説では過去の2作と比べて「推理小説的な味わいが乏しい」と紹介されています。なるほど、第一の事件の真相が中盤あたりで早々と自白によって明らかになってしまうのは腰砕け的な印象を残しますし、人物の視点が次々と替わって誰が探偵役なのか見極めにくいところも謎解きプロットとしては問題ありだと思います。しかしこの多視点描写は作品としての長所にもなっており、人物個性を確立するのに効果的でサスペンスも盛り上がります。第二の事件に関してはアリバイ調査やトリック分析などそれなりに謎解きしています。ただ学生というより半分社会人みたいな描写になっているので、「青春推理小説」らしさは弱いかなと思います。そして不条理で後味の悪いエピローグも気になるところです。良くも悪くも過去2作とは異なる個性を発揮しています。

No.2 4点 ∠渉 2013/12/28 18:05
青春推理の雄、小峰元の第3長編。
前2作の踏襲と今後の指針を見せてくれたような作品。
推理小説としては前2作よりさらに薄味で完成度も劣っている(キッパリ笑)。
なんて言ってはみたものの、是非おススメできるか?と聞かれたら是非読んでくれ!と、言いたいんですよ、僕は。
要するに、安全保証はしない作品だけど、読んでおくれよということ(要せてない笑)です。
では、再び感想⇩
10代のリアルが良く書かれていると思います(ホントかよ笑)。とは言ってもただリアルに書くのではなくそこにある滑稽さを愛情たっぷりに描いていて、ピカレスクではあるけども愛がある、決して批判精神に則らないところに、人柄がうかがえます。こりゃ西野カナもびっくりですわ(超批判精神笑)。
うまく感想言えてないので今回はこのへんで。

No.1 5点 2009/07/01 12:29
青春推理シリーズ第3弾。登場人物が『アルキメデス』よりもさらに虚無的です。そういった虚無的なところは、僕にとって、ユーモア系の『ピタゴラス』よりも好みなのですが、ミステリ要素についても物語性についても、それまでの2作品よりも劣っていますね。ただ、地元の話だったので友人たちとの間で話題になり、その結果、楽しく読めたように記憶しています。


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小峰元
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