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[ 本格 ]
死の信託
銀行副頭取パトナム・サッチャー
エマ・レイサン 出版月: 2005年12月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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論創社
2005年12月

No.1 5点 nukkam 2014/08/28 18:06
(ネタバレなしです) ニューヨーク・タイムズが「ウォール街のアガサ・クリスティー」と賞賛したエマ・レイサンは2人の米国人女性メアリー・J・レイティス(1927-1997)とマーサ・ヘニッサート(1929年生まれ)によるコンビ作家で、1961年に本書でデビューしてからレイティスが亡くなる1997年までに30冊以上のミステリーを書いています。二人とも専業作家ではなくレイティスは政府機関、ヘニッサートは民間企業に勤務し、しかも両者とも経済学に通じていたこともあってか創作の中心を占めるサッチャーシリーズ(24冊書かれました)は探偵役が銀行家という珍しいタイプの本格派推理小説です。各章のタイトルが「元利」に始まり「支払い請求書」に終わる経済用語構成だったのにはぎょっとしましたが物語の内容には全く関係ありませんでした。経済用語は使われてはいますが状況把握できないほど多くはないし、軽妙で洗練された文章のおかげで案外と読みやすいです。ぎりぎりまで真相を明かさないプロットになっていますが結末はやや唐突感が拭えません。サッチャーが真相にたどりつく決め手にしたと思われる、現場から持ち去られた手掛かりの正体を読者が事前に推理するのが難しいからではないかと思います。


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エマ・レイサン
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