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[ サスペンス ] バスク、真夏の死 |
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トレヴェニアン | 出版月: 1986年11月 | 平均: 5.50点 | 書評数: 2件 |
角川書店 1986年11月 |
Old Street Publishing 2014年07月 |
No.2 | 8点 | tider-tiger | 2015/10/01 19:44 |
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原題は『The Summer of Katya』邦題も悪くないけど、こっちの方がいいかな。
医師であるジャンの回想形式で綴られた恋愛小説にしてサイコサスペンス。 ジャンは第一次大戦前の夏に温泉街の小さな診療所で働くこととなった。ここで、カーチャという名の不思議な女性と出会う。活発だが、どこか風変りなこの女性に恋するジャン。だが、カーチャには本人と同じくらい風変りな父親がいる。さらに、カーチャの双子の兄ポールはカーチャと関わるのは危険だとジャンをカーチャから遠ざけようとする。なにが危険なのか? カーチャがたびたび口にする庭にいる妖精(精霊だったかな?)とは一体なんなのか? 物語は読み手に不吉な影を感じさせつつも、恋愛小説として緩いペースで進んで行きます。そして、急展開を迎えます。カーチャの秘密は精神分析学的にまあまあ納得のいく説明がつけられます。カーチャとの夏は終わりましたが、ジャンはいつまでも忘れませんでした。彼はバスク人だから。 トレヴェニアンの異色作といえるかもしれません。トレヴェニアンの中では夢果つる街とこれが好きです。 白眉はジャンがバスクの村の祝祭にカーチャの一家を連れて行く場面、祭りの描写があまりにも素晴らしい。ジャンとカーチャの幸福感が読み手にも伝わり、不吉な影のちらつく物語ながらもこの時ばかりは気分が高揚してくる。個人的には幸福感を描くのは悲劇を描くよりも難しいと思っています。 そして、強い光は影をさらに色濃くするのです(ガラスの仮面の受け売りです)。 |
No.1 | 3点 | Tetchy | 2009/03/31 22:33 |
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なんと今度はサイコホラーである。
しかし私には合わなかった。なんだかこういう耽美な物語が性に合わないのもある。 やはりトレヴェニアンは冒険小説が一番! |