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[ 本格/新本格 ]
柚木野山荘の惨劇
猫探偵正太郎シリーズ/改題『ゆきの山荘の惨劇 ―猫探偵正太郎登場―』
柴田よしき 出版月: 1998年04月 平均: 5.50点 書評数: 2件

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角川書店
1998年04月

KADOKAWA
2000年10月

No.2 6点 メルカトル 2017/12/20 22:05
人里離れた柚木野山荘で作家仲間の結婚披露宴パーティが開かれる。飼い猫の正太郎を連れて参加した桜川ひとみだったが、土砂崩れで山荘は孤立し、事件(事故?)が次々と起こる。
猫探偵正太郎は幼馴染の犬サスケ、美麗な雌猫トマシーナとともに真相に迫る。

猫探偵正太郎シリーズ第一弾。

序盤なかなか事件が起こらずウズウズしていましたが、何やら予期せぬ方向にストーリーが進展し、あららと思った矢先にやっと第一の事件が起きます。しかし、やはり毒殺というのは地味ですね。ここでは誰に毒を仕込む機会があったのか、その方法は?というありきたりな展開になります。これは過去の例に漏れず、当たり前の進め方ですね。
ただし正太郎の一人称なので、その点では異色と言えるかもしれません。また、猫と犬が意思の疎通どころか会話までできてしまうのがこの作者の世界観だと思います。いかにも猫好きな人が書いたのだろうなと思わせる作品に仕上がっているのは間違いありません。
探偵役は正太郎の元飼い主である親父さんこと浅間寺竜之介で、一応の解決を見ますがどうにもスッキリしない気分が残ります。何故なんだろうと考えていると。


【ネタバレ】


結局親父さんの推理はダミーで、主役で正真正銘の探偵である正太郎が真相を見破ります。これにはさすがに意表を突かれます。まさに前代未聞の解決には、目から鱗が落ちるとはこのことかと唖然とさせられます。

No.1 5点 江守森江 2010/03/18 21:41
「我が輩は猫である」「三毛猫ホームズ」「迷犬ルパン」の流れついた先と言った趣。
閉ざされる山荘を舞台に肩の凝らない本格ミステリになっている。
表紙カバー(文庫)も猫好きにはたまらないだろうからソコソコ安定して売れるよな~と思い、ついで作者が‘女性’である事に気付き「乾くるみ」が‘男性’と気付いた時と同様な衝撃を受ける。
そんな一冊。
※私が手にしたのは「ゆきの山荘の惨劇」と改題された文庫版です。


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柴田よしき
2016年10月
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