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[ 警察小説 ]
月神の浅き夢
RIKOシリーズ
柴田よしき 出版月: 1998年02月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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角川書店
1998年02月

角川書店
2000年05月

No.1 6点 メルカトル 2017/12/02 22:05
連続警察官殺害死体遺棄損壊事件-それは警視庁の若い男性刑事ばかりを狙った、猟奇的な事件だった。死体は両手足、性器を切断されて木に吊るされていた。この事件を解決するために、村上緑子は警視庁から要請を受ける。

女刑事RIKOシリーズの第三弾にして最終作。

主な登場人物だけで二十人を超えるなかなかの力作だと思います。警察関係者は勿論、容疑者、被害者と関係の強かった縁者、芸能プロダクション、暴力団、元刑事の私立探偵などが入り乱れて、捜査は混迷を極め迷走します。読んでいる途中でやはりこの作品はシリーズ第一作から順番に読むべきだと悟りました。主人公緑子の過去に関わりのあった人物が次々に登場し、本筋とは関係ないサイドストーリーやエピソードを織りなします。
描写力は確かなものがあり、各キャラの造形も見事に表現されています。また、本作は警察小説としての側面も無論ですが、緑子の刑事として母として人間として、そして女としての生き様を描いた小説としても捉えることができます。
二転三転するやや複雑なストーリーですが、大作のわりに事件そのものは意外と単純な構造なので、読み疲れたり飽きたりということはありません。
やや残念だったのは、殺害の動機が突き詰められていなかったことでしょうか。まあ納得がいかないというほどではないですけどね。


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柴田よしき
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1998年02月
月神の浅き夢
平均:6.00 / 書評数:1