海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ ハードボイルド ]
感傷の終り
私立探偵タナー
スティーヴン・グリーンリーフ 出版月: 1993年10月 平均: 7.00点 書評数: 1件

書評を見る | 採点するジャンル投票


早川書房
1993年10月

No.1 7点 クリスティ再読 2026/08/21 08:50
さてタナー2作目。サンフランシスコ1980年代初め。デビュー作「致命傷」ではラルフ・ネーダーみたいな消費者運動から始まっていたけど、要するにこの人、「意識高い」系ハードボイルドなんだ。

同じようにリベラル系ハードボイルド作家で、モーゼズ・ワインで有名なR.L.サイモンと立場が似ている、といえば似ているが、サイモンがかなり「意識高い」を斜めに見て(自虐的に)バカにしているのに対し、この人はなんかマジメなんだよね(苦笑)
まあ本作、大金持ちの老人の依頼で、その息子を探す話だが、この息子は過激派組織のリーダー格で放火の結果女子学生が焼死した件で指名手配中...でも老人はその息子に遺産を相続させたい!いやいや、周囲は猛反対、でもタナーは受けた依頼で誠実に息子の後を追跡する、といった話。
なんだけど、中盤からはガラっと「そう来るか!」的な展開でジェットコースター。ややびっくり。格段に前作「致命傷」よりも面白い。

R.L.サイモンは今や保守・リバタリアン系の政治評論家として、ガチのトランプ支持者に転向しているわけだが、そりゃモーゼズ・ワインがリベラルを見るシニカルな視線の当然の帰結なんだよ。本作の「失われた十年間だったんだ。七〇年代には、みんな何ひとつまともなことがやれなかった」というタナーの述懐もまさにそういうリベラルによる自己懐疑の表れなんだ。でもグリーンリーフはサイモンよりも明らかにスノッブな趣味であるから、そこらへんは「むかつく」(笑)

「きみは、親父さんが(抗がん剤副作用で)吐き気のひどいとき、何をのんでいたかわかるか?」「何だ?」「マリファナさ」「冗談だろう」「いいや」

まあこういう話なのさ。


キーワードから探す
スティーヴン・グリーンリーフ
2002年04月
最終章
1999年01月
過去の傷口
平均:8.00 / 書評数:1
1996年10月
偽りの契り
平均:7.00 / 書評数:2
1995年04月
熱い十字架
平均:6.00 / 書評数:1
1994年06月
血の痕跡
平均:6.00 / 書評数:1
1993年10月
感傷の終り
平均:7.00 / 書評数:1
1992年11月
匿名原稿
平均:6.50 / 書評数:2
1989年05月
深夜の囁き
平均:6.00 / 書評数:1
1987年11月
無実の領域
平均:6.00 / 書評数:1
1985年08月
探偵の帰郷
平均:6.00 / 書評数:1
1982年04月
致命傷
平均:5.00 / 書評数:1