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[ ハードボイルド ]
無実の領域
私立探偵タナー
スティーヴン・グリーンリーフ 出版月: 1987年11月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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早川書房
1987年11月

No.1 6点 2018/06/10 10:54
私立探偵タナー・シリーズ第5作、社会派ハードボイルドを得意とする作家ですが、既読作中最初期の本作では精神障害者による犯罪を扱っています。原題は "Beyond Blame"、責任阻却と訳したらいいでしょうか、精神障害の理由で犯罪行為の責任が問えないことを意味します。したがって、邦題や粗筋等の「無実」(その犯罪自体を行っていないこと)は誤訳と言うべきでしょう。法律的に「無罪」だというだけです。
弁護士として心神喪失(作中ではこの日本の刑法用語は使われません)を理由に裁判で無罪判決を得てきた法学者とその家族、親族をめぐる事件で、法学者が妻の殺害容疑で逮捕されることになります。法学者は自分が犯行当時心神喪失状態であったとして無罪を申し立てるのか?
最後の見せ場もこのテーマを利用していて納得させられたのですが、その後に明かされる銃撃事件の真相に、意外性がありました。


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スティーヴン・グリーンリーフ
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