海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 本格/新本格 ]
処刑館殺人事件
西式豊 出版月: 2026年05月 平均: 6.75点 書評数: 4件

書評を見る | 採点する | ジャンル投票


早川書房
2026年05月

No.4 7点 mozart 2026/09/14 14:28
閉じ込められるのがミステリー作家という一風変わった設定ではあるものの、その中で一人また一人と殺されていくという、割とよくある雰囲気のクローズドサークルものかと思って読んでいましたが、ページ数を結構残したまま一応の解決を見た後で、探偵役の人物から真犯人への告発という形で明らかにされる「真相」はちょっと複雑で、漫然と読み進めていた自分では一度で頭に入らないほどでした。読み返してみてなるほど、と。


実際の所、モブの件とか○○の不正についてはちょっと疑問符がつきましたが、作家ならではの苦悩や葛藤がわりと生々しく表現されていてその点でも面白く読めました。

No.3 7点 メルカトル 2026/08/22 22:21
群馬県北部の山奥に建つ豪奢な洋館「岨景館」に招かれた、ミステリ作家養成講座出身の男女6人。恩師である宇宿部彬の招集に応じて、売れっ子から新人、デビューできていない者まで、久しぶりに同期全員が集まった。宇宿部の到着を待たずに彼らが敷地へ入ると、入口の跳ね橋が上がり外界から隔絶した閉鎖空間となってしまう。やがて〈黒衣の処刑人〉により、ミステリ作家たちは自身の著作を彷彿とさせるやり方で、一人また一人と殺害されてゆく――。
Amazon内容紹介より。

又してもクローズドサークルもの。しかし、閉じ込められたミステリ作家達6人はよく書き分けられており、読み応えもあります。どこか違和感を覚える部分はありました。しかしいつもの館ものね、と思ったら大間違いです。連続殺人事件が完成され、一応の終結を見てからが本番です。まだまだページ数が残っていますからね。

目新しいトリックはありませんが、解決編ではかなり入り組んだ仕掛けが施されており、瞠目させられました。一見典型的な館ミステリですが実は・・・。という訳でこれは巷に溢れる本格ミステリに一石を投じる、新たな挑戦と受け止めるべき作品なのだと思いました。いやー、それにしてもネタバレせずに書評を書くのがこれほど難しいミステリもなかなかないですよ。
あとどうでも良いですが、作中で「他ありません」と言う表現が多用されていますが、「他なりません」の間違いではないでしょうか。

No.2 6点 みりん 2026/08/02 01:13
クローズドサークルにしては、無能な登場人物がおらず、全員が生存するために最善の策を取っている非常に珍しい作品かもしれない。途中で単独行動を強行してお決まりのフラグ立てた中谷の気持ちも分からんでもない。ただなんだろう、真犯人がなあ…もう少しアレならねぇ。それを差し引いても魅力的な作品でした。

読んでふと本格ミステリーの専門作家で食べていけてる人っているのだろうかと思いました。昨今の出版不況を鑑みるに、ヒューマンドラマや映像向けを意識した作品でないと厳しいのではと思います。それでも作家なら書くしかないのですね。

No.1 7点 虫暮部 2026/07/28 13:20
 ネタバレに該当するかな。とっくに飽和しているクローズド・サークルものの限界を逆手に取ったようなアイデア。面白かったけど、うーむ。
 本命被害者に比してカムフラージュの人数が多いよね。また、“目的を達する為にはこの方法しかない” わけではない。“偶然上手い状況が転がって来たから、無駄が多いことは承知の上で乗っ取った” のである。
 想像を膨らませるなら、これは実行犯が主導的だったのではないか。だって負担が不公平過ぎるよ。計画者主導なら、どんな顔して “自分は一人も殺さないけど、あなたはこれだけ殺してくれ” と持ちかけたのか。実行犯だって “自分には殺せるだろう” と言う気持が無いと、こんな計画には乗らないと思う。

 駐在さんが見付けた “証拠” はいいなぁ。頑張ったんだろうなぁ。
 あと、最後の場面で指摘漏れ(?)がある。“告白メール” は偽物だったわけで、それに基づく “書籍化は宇宿部が本家本元” の件もまぁ無効。出版社のお偉いさんが宇宿部に殺到する理由は無くなる。“オファーを全部断った” のやりとりで、その点に言及があっても良かった。


キーワードから探す
西式豊
2026年05月
処刑館殺人事件
平均:6.75 / 書評数:4
2024年08月
鬼神の檻
平均:6.00 / 書評数:1
2022年11月
そして、よみがえる世界。
平均:6.67 / 書評数:3