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[ 社会派 ]
灼熱
葉真中顕 出版月: 2021年09月 平均: 8.00点 書評数: 1件

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新潮社
2021年09月

新潮社
2025年02月

No.1 8点 take5 2026/03/26 15:17
とんでもない熱量、660ページ超に
大好きな葉真中顕作品ではあっても
さすがに躊躇しましたが、拾い読み
したページで一気にはまれました。

ブラジル移民の敗戦への受け止め方
一言で言えばテーマはそういう事、
しかしそこに単純な対立構造でなく
例えば風説の流布は如何に起きるか
など示唆に富む内容盛り沢山です。

池上彰さんの説明を以下要約します。

戦争を勝ったとする勝ち組と、負けを
認める負け組の思想対立のなかで、
勝った日本の円の価値がこれから上がる
と言って、敗戦で紙くず同然になった
旧円を売りつけるなどの詐欺が相次いだ
のです。被害者は、もちろん「勝ち組」
でした。人々は、信じたいことを信じる。
フェイク情報が氾濫する現在、ブラジル
での事態は、決して過去の遠い地のこと
ではないのです。そんなブラジルで、
日本人たちはどの様に懸命に生きたのか。
物語は、沖縄で生まれ従弟夫婦とともに
移住した勇と、祖父の代に移住しブラジル
で生まれ育ったトキオ、二人の人生を軸に
進みます。日本へ共に帰ることを誓った
親友同士の道は、しかしやがて大きく
分かれていくことになります。

地球の裏側だからこそ、天皇を神格化し
そこに救いを求める。戦争被害者として
女性がいかなる立場にいたのか。等々、
取材をしっかりされているからこその
熱量を、独りよがりでない作品として
落とし込めるのだと、私は強く感じます。


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