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[ その他 ] 分身 別題『二重人格』 |
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フョードル・ドストエフスキー | 出版月: 1978年10月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
新潮社 1978年10月 |
岩波書店 1981年08月 |
No.1 | 6点 | 虫暮部 | 2024/12/06 12:00 |
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タイトルは “ドッペルゲンガー” の謂。なので『二重人格』と訳すのはちょっと違うんじゃないか。
作品解説に見られる “発狂しつつある主人公の幻覚” との解釈だと、周囲の人達の言動を説明するのに無理があると思う。事の成り行きが主人公の内面で完結は全然していないのだ。 “主人公に不条理な出来事が降り掛かる。実は周囲の人が多数結託して主人公を騙す大掛かりな芝居を打っていた” と言うミステリ作品があるけれど、これもそのパターンではないだろうか。役所に於けるいじめと言うか追い出しと言うか。外部によって発狂させられている。御婦人からの手紙など、如何にも騙して笑い者にしようと言わんばかりのネタ。それはそれで都市型の人間心理? 仮に、あくまで内面の問題だと解釈するなら、異様に広い範囲の幻覚であって、どの記述が客観的事実だか区別が付かない。冗長な文体と相俟って、“信頼出来ない作者” って感じだ。幻覚が頭から漏れ出して現実に影響を与えると言うSFなのかも知れない。突っ込みながら読もう。 |