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[ SF/ファンタジー ] 蒼いくちづけ |
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神林長平 | 出版月: 1987年07月 | 平均: 8.00点 | 書評数: 1件 |
光文社 1987年07月 |
早川書房 2002年09月 |
No.1 | 8点 | 糸色女少 | 2024/10/04 22:03 |
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月の都市で、テレパスの少女ルシアが裏切られて死んだ。彼女の抱いた激しい憎悪、地球にも届くほどの強い残留思念が、やがて周囲に災いをもたらす。テレパスの関わる事件を扱う無限心理警察の刑事OZは月へと向かう。彼女の魂を救うために。
テレパス同士のコミュニケーションについて語りつつ、そこから現実認識の変容という作者らしいテーマに踏み込まない。あくまでも事件の解決を中心に据えた、ストレートなSFミステリである。 怨霊を鎮めるようなホラーめいた物語を、SFの枠組みで描いてみせる。刑事の心情を綴る文体にも、クライマックスのOZの所作にも、ロマンティシズムが溢れ出る。短い中に、緊張と悲哀を込めた作品だ。優しさの滲む結末も忘れ難い。 |