皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格 ] 或る豪邸主の死 |
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J・J・コニントン | 出版月: 2008年02月 | 平均: 5.67点 | 書評数: 3件 |
長崎出版 2008年02月 |
No.3 | 6点 | mini | 2014/12/02 09:53 |
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本日2日に論創社からJ・J・コニントン「レイナムパーヴァの災厄」とエリザベス・デイリー「閉ざされた庭で」の2冊が刊行される、先月末刊行の予定が延びたようだ、論創には有りがちなんでまぁいいでしょ
さらに論創社では今月末には、リチャード・S・プラザー、ジョージェット・へイヤー、ジョン・P・マーカンドの一挙3冊を予定している、論創頑張ってんなぁ、まぁ当サイトではプラザーとマーカンドの2冊は登録されなさそうな予感もしますが(苦笑) J・J・コニントンは黄金時代前期に活躍した英国の本格派作家で、鮎川哲也がファンだったことでも知られている 今回出る「レイナムパーヴァの災厄」は初期の代表作とのことだが、ドリフィールド卿シリーズなので、登録の際にはシリーズ欄に”クリントン・ドリフィールド卿”と入れて欲しかったですね、まぁ大体シリーズものかノンシリーズかを承知している人に作品登録を任せた方がいいんじゃないかなぁ ところでようやくコニントンもまともな紹介がされるようになってきた と言うのも、長崎出版「或る豪邸主の死」を除くと、それまで翻訳された2冊はいずれも抄訳だったからだ、「或る豪邸主の死」は唯一の完訳だったが作者の特徴が強く出ているとは言えないユーモア調軽いタッチのどちらかと言えば異色作とのことだし コニントンは化学が専攻の理系作家で、ミステリーを書く前の初期2作はSF小説らしい、ミステリーの第1作がノンシリーズの「或る豪邸主の死」である 題名の印象で”館もの”か?と期待した人には残念でした、被害者は家族も無く豪邸に1人暮らしなので屋敷内部の部屋割りなどは話に関係無いし、遺族間の葛藤も何も無し 単に殺人事件現場が豪邸内だっただけで、”テーマ的な意味での館もの”では全く無い、もちろん館ものが嫌いな私には無問題 この作品は冒頭に”読者への挑戦状”が掲げられているのも特徴だが、私は読者への挑戦状なんて何の興味も無い読者なのでどうでもいいのだが(笑) ただこの作品が、読者が推理出来るかというと真相を看破出来た人は少なかったと思う 何故なら読者が推理出来るようには書かれて居ないから(再笑) たしかに一応は全てのデータが明示されているのだが、しかしそれで読者が推理出来るかどうかは別問題、おそらく作者には本気で読者に挑戦しようとなどは考えていなかったのではないか?、解決編直前ではなくて冒頭に掲げたのも半分冗談なのかも知れない 昨今の本格派オンリーな読者は、読者が推理可能かどうかをやたらと重要視し過ぎる傾向が感じられるのだが、その手の読者には不満が生じるだろうが、私は無問題 私は探偵役が論理的に真相に到達しなければ駄目だとは思った事が無いし、真犯人の告白で事件が解決しては駄目だなんてミステリー初心者の頃から思った事が無い読者なのだ 要はこの事件の概要・物語の展開ならこの真相なら妥当で充分納得出来ればそれで良いと思っているし、読者側も直感で当ててるのは駄目だとも思わない そもそも理詰めじゃなくても読者に直感で当てられてしまうなんてのは、単に作者の書き方が下手糞かあるいは伏線がストレート過ぎるだけでしょ まぁ本格派としては特に傑作でもないが、それなりに水準作として面白かった、この作が評価されないとしたら、それは”読者への挑戦状”なんてつまらない趣向を重要視し過ぎるせいだと私は思う |
No.2 | 5点 | nukkam | 2014/08/22 16:15 |
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(ネタバレなしです) 大学教授で数学者でもあった英国のJ・J・コニントン(1880-1947)の1926年発表のデビュー作です(シリーズ探偵は登場しません)。冒頭で読者に対するフェア・プレーを宣言していることがあのエラリー・クイーンに先駆けた「読者への挑戦状」であると評価されています。サンダーステッド大佐が謎解きに挑戦する本格派推理小説ですがやたらと悩んだりとまどったりしている上に、ある容疑者には犯人であってほしくないと肩入れしたりと、まともな探偵役ではありません。しかし同時代のアントニイ・バークリーのように思い切って羽目を外すところまでは踏み切れず、ユーモア路線ともシリアス路線ともつかない中途半端なところに留まったような気がします。「殺人光線発射装置」なる物が登場して驚きますが、SFミステリーではありません。淡々とした筋運びながら謎解きは意外と複雑です。 |
No.1 | 6点 | 江守森江 | 2010/03/17 15:16 |
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序文として付された「読者挑戦」
謎と伏線に満ちた前半。 捜査・審問・ダミー推理の後に次々と明かされる事実と新たな謎。 期待感もピークに達して迎える最終章(解決編)!! ここまでは嗜好のど真ん中を体現し満点(8点) ※ここからネタバレします。 探偵役が論理的に犯人到達する作品ではなく、全く意外性の無い犯人達(共犯なのもパッとしない)の告白で解決編が終了する結末に愕然としてしまった。 序文の「読者挑戦」は看板に偽りあり!としか言いようがない(-3点) せめてもの救いは現代表現に翻訳され非常に読みやすいこと(+1点)だけだろう。 典型的「竜頭蛇尾」作品の代表例たりうるだろう! |