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[ 本格/新本格 ]
十戒
夕木春央 出版月: 2023年08月 平均: 7.09点 書評数: 23件

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講談社
2023年08月

講談社
2025年08月

No.3 8点 メルカトル 2023/08/21 22:03
浪人中の里英は、父と共に、伯父が所有していた枝内島を訪れた。
島内にリゾート施設を開業するため集まった9人の関係者たち。
島の視察を終えた翌朝、不動産会社の社員が殺され、そして、十の戒律が書かれた紙片が落ちていた。
“この島にいる間、殺人犯が誰か知ろうとしてはならない。守られなかった場合、島内の爆弾の起爆装置が作動し、全員の命が失われる”。
犯人が下す神罰を恐れながら、「十戒」に従う3日間が始まったーー。
Amazon内容紹介より。

誘拐物や立て籠もりは別として、孤島ミステリで犯人にある程度自由は約束されているものの、犯人の指示に従って行動しなければならないという発想は面白いし新しいと思います。『方舟』と比べるとどうしてもワンランク落ちる感は否めませんが、個人的に8点より下は色々考え併せて付ける事が出来ませんでした。

重厚さなどはありません。しかし、これくらい軽めの雰囲気の作品の方が受ける時代なのかも知れません。各所で高評価を受けているのも納得の出来でしょう。何だかんだ言っても、結局今年の各ランキングレースを賑わすのは間違いないと思いますね。ロジックも確りしていますし、成程の結末にも納得です。

No.2 7点 文生 2023/08/10 12:20
クローズドサークルと化した孤島を舞台にし、従わざるを得ない犯人の要求を十戒に見立てた発想は非常に面白い。十戒に縛られているなかで起きる連続殺人のサスペンスもなかなかですし、犯人が仕掛けた二重三重の罠も悪くありません。しかし、シンプルかつサスペンスフルな驚愕ミステリー『方舟』と比べるとどうしても物足りなさを感じてしまいます。犯人の正体は最初からなんとなく見当がついていましたし、仕掛けも凝ってはいますが、やはり『方舟』のシンプルさと比べると回りくどさは否めません。トータル的に十分面白い作品ではあるのですが、『方舟』の影響下から逃れられないことが惜しまれます。

No.1 8点 みりん 2023/08/08 22:35
あえてハードルは下げておきます。『方舟』よりはやや劣ると思います(でも新刊補正で+1)。発売からわずか1年で既に28件の書評数と8.39点と高い評点を獲得した『方舟』はもう本サイトではレジェンドに片足を突っ込んでるので、それと比べるのは酷ですが…
『方舟』からわずか1年でこれを書き上げる夕木春央はミステリ界の救世主(出版社的にも)ですね。
ハードルを下げたいのか上げたいのかよくわからない評価になってしまいましたが、『方舟』が好きな方は買って損はないでしょう。


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夕木春央
2024年03月
サロメの断頭台
平均:5.80 / 書評数:5
2023年08月
十戒
平均:7.09 / 書評数:23
2023年04月
時計泥棒と悪人たち
平均:5.50 / 書評数:6
2022年09月
方舟
平均:8.44 / 書評数:39
2021年09月
サーカスから来た執達吏
平均:7.33 / 書評数:9
2019年09月
絞首商會
平均:5.75 / 書評数:8