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[ 警察小説 ] チェスナットマン |
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セーアン・スヴァイストロプ | 出版月: 2021年07月 | 平均: 6.33点 | 書評数: 3件 |
ハーパーコリンズ・ジャパン 2021年07月 |
No.3 | 5点 | メルカトル | 2023/02/14 22:24 |
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コペンハーゲンで若い母親を狙った凄惨な連続殺人事件が発生。
被害者は身体の一部を生きたまま切断され、 現場には栗で作った小さな人形“チェスナットマン"が残されていた。 人形に付着していた指紋が1年前に誘拐、殺害された少女のものと知った 重大犯罪課の刑事トゥリーンとヘスは、服役中の犯人と少女の母親である 政治家の周辺を調べ始めるが、捜査が混迷を極めるなか新たな殺人が起き――。 Amazon内容紹介より。 まず文章が回りくどすぎて、兎に角じれったいです。そして衝撃のシーンでも生々しいシーンでも同じテンションで描かれていて、終始淡々とした文体で抑揚がありません。ですから長尺という事もありますが、大事な場面で読み落としそうになり、というか実際集中力が続かなかったのは否めません。 主役の刑事トゥリーンよりも相棒のヘスの方が好感が持てました。まあどっちもどっちですけどね。それ程人間描写に重きを置いていないと思いますし。 チェスナットマン(栗人形)の謎や手足の切断の理由などにはあまり期待しない方が賢明でしょう。何となく暈かしている感じもしますし、何らかのトリックがあるかと言われると・・・です。そして、意外な犯人かな?これ。そうでもなかった人すみません。 |
No.2 | 7点 | HORNET | 2023/02/12 16:24 |
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コペンハーゲンで若い母親を狙った凄惨な連続殺人事件が発生。被害者は身体の一部を生きたまま切断され、現場には栗で作った小さな人形“チェスナットマン"が残されていた。人形に付着していた指紋が1年前に誘拐、殺害された少女のものと知った重大犯罪課の刑事トゥリーンとヘスは、服役中の犯人と少女の母親である政治家の周辺を調べ始めるが、捜査が混迷を極めるなか新たな殺人が起き――。(「BOOK」データベースより)
700ページ近い厚みのある1作だが、途切れることのない動的な展開に引き込まれて苦なく読み進められる。1年前に起きた誘拐殺害事件はすでに犯人も捕らえられ、犯人自身が犯行を自供しているのに、なぜその被害少女の指紋が全く関係のない殺人現場から出てくるのか?1年前の事件を「解決済み」としているため、捜査を掘り返すことはご法度という警察上部、その捜査に疑念を挟む現場刑事、という構図はまぁよくある構図ではあるが、結局のところは面白い。真犯人の意外性もなかなかで、そちらから弾が跳んでくるとは正直思っていなかった。 読み応えのあるデンマークの警察小説だった。 |
No.1 | 7点 | YMY | 2022/02/03 23:05 |
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犯行現場に栗の実でできた小さな人形を残す連続殺人犯と、その犯行を食い止めようとする刑事たちの苦闘を描いている。
対照的な二人の刑事の個性と、目まぐるしい展開で二転三転し、長大な物語を一気に読ませる。不穏なラストも印象的で、謎解きの面白さもある。 作者は人気テレビドラマの制作者。小説は本書が初めてだが、その手腕を生かして、陰鬱にして複雑な魅力に富んだ物語を作り上げている。 |