皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ SF/ファンタジー ] 限りなき夏 |
|||
---|---|---|---|
クリストファー・プリースト | 出版月: 2008年05月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
国書刊行会 2008年05月 |
No.1 | 6点 | 糸色女少 | 2021/12/23 23:21 |
---|---|---|---|
本書は時空に隔てられた男女の恋愛を描く二編、熱気をはらんだ初期SF二編、そして数千年も戦争が続く「夢幻群島」を舞台とする蠱惑的な連作四編を収録している。
「奇跡の石塚」の仕掛けには誰もが目を白黒させるだろうし、娼家に迷い込んだ歩兵の眼前で夢の絵画が次々と現実化する「ディスチャージ」はその題名にも戦争から性まで多数の意味が折り重なる。作者の長編は言葉の重層性が制御されすぎて、言葉で構築される小説内に閉じ、読了後すべてが本の内側へと収束してしまう印象を受けるが、短編では逆に鮮やかに広がってくる。 |