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[ トラベル・ミステリ ]
愛ある追跡
藤田宜永 出版月: 2011年06月 平均: 5.00点 書評数: 2件

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文藝春秋
2011年06月

文藝春秋
2014年01月

No.2 5点 猫サーカス 2021/04/13 18:37
ペットを家族の一員として暮らす人が少なくない。一方で少子高齢化、離婚や未婚といった要因でますます家族はバラバラになっていく。この作品は、そんな現代社会を鮮やかに切り取った連作ミステリ。岩佐一郎は横浜のペットクリニックで獣医師として長年働いてきた。だが、あるとき娘の瑶子が殺人容疑に掛けられる。そして瑶子は行方をくらませ、指名手配された。一郎は、わずかな手掛かりをもとに娘を追い日本各地を旅する。渋谷のホテル街から始まる本作の舞台が、やがて伊勢神宮や群馬の温泉地など、ある種の「人が癒しを求める」場所へと移っていくあたり、いわゆるバブル崩壊後、身も心も疲弊した姿を捉えることが物語のテーマにあるようだ。事件の真相を暴く探偵小説というよりも、人と人との触れ合いを描くロードノベルとして、じんわり胸に迫ってくる。

No.1 5点 2020/03/27 13:07
獣医の岩佐一郎が殺人の容疑をかけられた我が娘を追う追跡ミステリー。
娘は国内を転々とし逃避行を続ける。父親は娘のうわさを聞き出没先に出向く。さらにその父親を刑事が執拗に追う。
娘の出没先ごとにその地方の人物が登場し、そこで彼らと一郎とのドラマが生まれる。そこには刑事も絡んでくる。まるで、連続ドラマの『逃亡者』のような連作短編ストーリーだった。

章ごとの登場人物たちは、事件にどのように関係してくるのだろうか、それとも単なるゲスト的な登場なのだろうか。各章(地方)の物語はスリルもあって期待は膨らんでいくが・・・

章ごとに動物がらみの場面があり、一郎が職業を生かして活躍する。そこはおもしろかったが・・・
でもミステリーとは言いがたい。終わり方は異常。
父と娘の親子愛の物語だったのか・・・
解説には、探偵・竹花シリーズにつながる人探し小説とあるが、シリーズ的につながっているわけではないだろう。

ストーリーはミステリーという語句とはアンマッチ、タイトルともアンマッチ。
旅情なんてほとんどないが、ジャンル的にはトラベルミステリーか。これもアンマッチかな。


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藤田宜永
2015年07月
血の弔旗
平均:7.00 / 書評数:1
2014年07月
喝采
平均:5.00 / 書評数:1
2011年06月
愛ある追跡
平均:5.00 / 書評数:2
2008年07月
喜の行列悲の行列
平均:6.00 / 書評数:1
1997年07月
さもなくば友を
平均:7.00 / 書評数:1
1996年12月
動機は問わない
平均:6.00 / 書評数:1
1996年06月
蒼ざめた街
平均:7.00 / 書評数:1
1994年06月
影の探偵
平均:5.00 / 書評数:1
1993年09月
野薔薇の殺人者
平均:5.00 / 書評数:1
1990年01月
奇妙な果実殺人事件
平均:6.00 / 書評数:2
1987年04月
標的の向こう側
平均:6.00 / 書評数:1
不明
野望のラビリンス
平均:7.00 / 書評数:1