海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ ハードボイルド ]
野望のラビリンス
私立探偵・鈴切信吾シリーズ
藤田宜永 出版月: 不明 平均: 7.00点 書評数: 1件

書評を見る | 採点するジャンル投票


角川書店
1995年12月

KADOKAWA
2001年10月

No.1 7点 2020/04/07 13:53
のちに恋愛小説家に転向した直木賞作家、藤田宜永氏のデビュー作です。
この鈴切信吾シリーズは残念ながら、本作と次作の『標的の向こう側』の2作で終わっています。彼の作品にはフランスでの経験を生かしたものが多く、本シリーズ作品もその代表的な作品といえるでしょう。

「フランス国籍を持ち、パリに住む邦人探偵・鈴切信吾。ある日、彼のもとへ奇妙な依頼が舞いこんだ―「猫を探して頂きたいのです」。だが彼を待っていたのは、猫を預かったまま失踪した男の死体であった。一体誰が、何のために。男の過去を手繰る他はなかった。男娼がいた。画廊の経営者夫妻がいた。淫売とヒモがいた。やがて鈴切は第二の殺人事件の渦中に巻きこまれ、そしてパリの裏街に潜む深遠なる情念の迷宮の只中にいるのを知った―。爛熟の都を舞台に綴る本格ハードボイルド。」(BOOKデータベースより)

ハードボイルド小説として雰囲気や語りを楽しむといった感じはあまりなく、フランスらしさもそれほどではないが、エンターテインメント作品としての価値は高いように思う。
事件にはいろいろな背景があり、やや駆け足気味に話しは進むが、その分場面に変化とスピード感があり、読者を飽きさせることはない。

読者が謎解きに参加できる本格ミステリーとはいえないものの、多くの謎があり、ミステリーとしてのオチに工夫もあり、個人的にはお気に入りの作品です。
ただ、久しぶりの再読では、先日読んだ『さもなくば友を』よりも、お気に入り度はやや落ちるかもしれません。


キーワードから探す
藤田宜永
2015年07月
血の弔旗
平均:7.00 / 書評数:1
2014年07月
喝采
平均:5.00 / 書評数:1
2011年06月
愛ある追跡
平均:5.00 / 書評数:2
2008年07月
喜の行列悲の行列
平均:6.00 / 書評数:1
1996年12月
動機は問わない
平均:6.00 / 書評数:1
1996年06月
蒼ざめた街
平均:7.00 / 書評数:1
1994年09月
さもなくば友を
平均:7.00 / 書評数:1
1994年06月
影の探偵
平均:5.00 / 書評数:1
1993年09月
野薔薇の殺人者
平均:5.00 / 書評数:1
1990年01月
奇妙な果実殺人事件
平均:6.00 / 書評数:2
1987年04月
標的の向こう側
平均:6.00 / 書評数:1
不明
野望のラビリンス
平均:7.00 / 書評数:1