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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ] 風に乗って ウィル・リー・ノヴェルズ |
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スチュアート・ウッズ | 出版月: 1987年06月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
早川書房 1987年06月 |
No.1 | 6点 | 雪 | 2018/08/16 18:14 |
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無気力を学部長に見抜かれ、強制的にロー・スクールを休学させられた青年ウィル・リー。彼はイギリスの〈カウズ・ウィーク〉レース観光の際、アンカーを失くした船が王室専用ヨットに突っ込むのを防いだ事から、元英国海兵隊員による高速ヨット建造チームに加わることとなる。だが元兵士には海軍時代IRAの少年を射殺した過去があり、アイルランドでの造船作業にはテロ組織の不穏な影が蠢くのだった。
更にスポンサーを務める投資家の会社には爆破、不正疑惑と立て続けにスキャンダルが降り掛かる。幾多の障害を乗り越えヨットは次第に完成に近づくが、ある日船大工の一人がIRA式の処刑法で、後頭部を撃たれた死体となって発見される・・・。 処女作にしてMWA賞受賞作「警察署長」に続く2作目。本作の主人公は初代デラノ警察署長ウィル・ヘンリー・リーの孫にあたります。物語の骨子はモラトリアムな彼の青春小説であり成長小説。ですのでビターエンドです。ミステリとしては一応テロ組織の黒幕「司教」は誰か?という謎はありますが、主人公周りは終始ヨットの建造でてんてこまいなので別に犯人探しとかはしません。ヨットが存分に帆走するのもホント最後の方です。 大量殺人事件を軸に、数世代に渡りアメリカの一地方都市を俯瞰した前作ほど骨太ではないですね。結構ページ数ありますが、イメージとしては淡彩の小品といったところ。ウィルは青春物のお約束で、節操無しに女に手を出してはダメージ受けてます。 こういうのが好きな読者も結構多いらしく文庫化希望の声も高いようですが、今のハヤカワだとどうだかなあ。その手の人はもう1、2点プラスするでしょうね。 |