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ロードシップ・レーンの館
アノー
A・E・W・メイスン 出版月: 2018年05月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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論創社
2018年05月

No.1 5点 nukkam 2018/05/26 23:08
(ネタバレなしです) 19世紀にデビューしたA・E・W・メイスン(1865-1948)の最後の作品となったのが1946年発表の本書でアノーシリーズ第5作でもあります。このシリーズで唯一イギリスを舞台にした作品でフランス人のアノーがとんちんかんな英語を何度も披露しているのが特徴の一つですが、都筑道夫の「キリオン・スレイの敗北と逆襲」(1983年)でのキリオンの怪しげな日本語と同じく度が過ぎて物語のテンポを悪くしてしまったように思います(論創社版でこれを再現しようとかなり苦労しているのは努力賞ものですけど)。失踪と出現を繰り返す謎の人物と殺人事件の関係が整理不十分で、会話も時に誰が話しているのかわかりにくく(私の読解力の弱さもいけないのですが)どうにも読みにくかったです。冒険スリラー風になったり終盤に犯人視点での事件再現場面を挿入しているところはこの作者らしいですが、本格派推理小説としては回りくどいと感じる読者もいるかもしれません。


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