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青春の蹉跌
石川達三 出版月: 1968年01月 平均: 7.00点 書評数: 2件

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新潮社
1968年01月

新潮社
1971年05月

新潮社
1972年01月

新潮社
1972年01月

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1978年11月

No.2 6点 斎藤警部 2021/06/07 18:01
社会の現実は把握し難い上に変転を続ける。現実主義に徹したつもりがその肝腎の部分が見えなかった、原石としてはピカ一と言えるエリート予備軍の貧しい青年が、若気の至りと呼ぶにはあまりに重大な失策を犯し、その●●を●●に●●までの緊張に満ちた生活と犯罪を追う物語。冒頭から三分の一程度は、観念に取り付かれた独白エッセイ(作者本人の弁とは異なる)が延々ゴツゴツ続く様で小説らしくもないが、その後一気にサスペンスフルなダーク・ストーリーが起伏も豊かに疾走を始める。 何かある毎にその事象を法律の条文に照らして解釈する場面も趣在り。 最後の最後に或る人物を「今こそ殺してやりたい」と思うに至る反転、その方が却って救いになるんだかならないんだか、いやはや。。 二度にわたる弁当の差し入れは泣けました。 しかし、一番最後の台詞、主人公はどんな気持ちで聞いたのだろうか。。(まさかそんな台詞で締めるとは驚きました!)

No.1 8点 蟷螂の斧 2016/03/19 14:57
(再読)裏表紙より~『生きることは闘いだ、他人はみな敵だ――貧しさゆえに充たされぬ野望をもって社会に挑戦し、挫折していく青年の悲劇を描く長編。』~


「死の接吻」の書評の中に「アメリカの悲劇」のテーマ云々とありました。たしか「アメリカの悲劇」は映画「陽のあたる場所」の原作だったと思います。「死の接吻」と「陽のあたる場所」は当然話の展開は違いますが、同じようなテーマを扱っています。この男と女の普遍的なテーマを扱った日本の作品は?ということで、石川達三氏の「青春の蹉跌」をとりあげてみました。氏は第一回芥川賞作家で、その後社会派と呼ばれるような作品を多数発表しています。その中で、本作はミステリー要素の強い作品となっています。映画化もされており、萩原健一氏、桃井かおりさん、檀ふみさんが出演、退廃的なムードの強い作品となっていました。原作の方は、どちらかというと立身出世型の青春を描いたもので、結末は映画と違っています。青春時代の思い出深い作品なので甘目の採点かも・・・。 


以下ネタバレ。
医学的見地より問題化され話題にもなった作品です。しかし、実話に基づく作品であり、その裁判では医学的問題をどのように取り扱われたのか気になりました。


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石川達三
1968年01月
青春の蹉跌
平均:7.00 / 書評数:2
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