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クイーンのフルハウス
エラリイ・クイーンシリーズ
エラリイ・クイーン 出版月: 1968年01月 平均: 6.33点 書評数: 6件

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早川書房
1968年01月

早川書房
1979年09月

No.6 7点 虫暮部 2021/03/03 14:07
 「ドン・ファンの死」。ダイイング・メッセージはともかく、犯人特定の手掛かりが短編にちょうど良いサイズ感で、読んでスッキリした。
 「ライツヴィルの遺産」。結末で仕掛けた罠は無効。下心の有無を他人が観測は出来ない。
 「キャロル事件」。思惑が絡み合って事態がずれていく様が面白く、読み返して台詞の裏側を知るとまた味わい深い。

No.5 6点 クリスティ再読 2020/10/25 21:48
パズラー作家の短編というのは、長編と比較したときの存在意義をどう捉えるか?というのがクローズアップされるような短編集だと思う。

「ドン・ファンの死」は...まあこれ、ダイイングメッセージもロジックも易しいと思う。すっきりはしているけどね。その分メロドラマ風。長編にして...う~ん、あまり魅力がないのでは。
「Eの殺人」「ダイイングメッセージが何を伝えうるか?」という限界みたいなものを提示しているのが面白いといえば面白いけど、駆け足すぎて不発になってるように思う。
「ライツヴィルの遺産」こういう話になると、妙にメロドラマ風になるのが? 推理としては...無理筋だと思うんだけどなあ。最後の罠も意味不明だし。
「パラダイスのダイヤモンド」は、小品でダイイングメッセージも日本人にはどうでもいいし、推理に内容がないんだけど、「これぞリーだね」と思わせる文章の華麗さが、いい。評者とかはリーの文章が好き、が結構ウェイトが高いんだよ。
「キャロル事件」は、皆さんご指摘のように「災厄の町」とかああいうライツヴィル物らしさがある話。人情探偵エラリイになっちゃてるわけで、小説としては悪くないんだけど、たぶん本作が長編になったら文句をつけたくなる人が多いのでは...なんてヘンな心配もする。ロジックは通ってはいるんだけど、長編でこれをやると、肩透かしみたいなことになるように思う。短編で「よかった」のでは。

ちなみに「推理の芸術」では「ドン・ファン」「Eの殺人」は執筆がリーではなくてバウチャーではないか、と疑っている。絶対、リーじゃない。作品によって、かなり文章に差が激しいのを感じる。

No.4 6点 ボナンザ 2019/04/02 21:39
クイーンらしい論理が楽しめる佳作集。

No.3 6点 斎藤警部 2016/11/27 11:42
軽いね、まぁまず悪くないね。

【三篇のノヴェレット】
ドン・ファンの死/ライツヴィルの遺産/キャロル事件/
【二篇のショート・ショート】
Eの殺人/パラダイスのダイヤモンド(ノヴェレットの幕間其々に入る)

ショート・ショートの方は、空耳・空目ネタで済ましちゃってて、何故だかちょっとホンヮカするけど、切れが甘いな。
ノヴェレットの方は「流石クイーン、これくらいはやる」って所かな。

No.2 7点 Tetchy 2012/10/10 18:20
3編の中短編と2編のショートショートを並べ、ポーカーのフルハウスに準えた作品集。構成も3編の短編の間に2編のショートショートが挟まる、ちょっと変わった構成になっている(目次では短編の目次にショートショートの目次が別々に表記されているため、その構成が解りにくくなっている)。

『エラリー・クイーンの冒険』などの初期の短編集と比べるとその出来栄えは必ずしも高いとは云えないのが哀しい所。

正直云って幕間劇のように挿入される2編のショートショートミステリは単なる筆休めのような軽い作品でロジックや推理の妙を愉しむわけではなく、純粋にオチを愉しむ作品となっている。この出来が良いかどうかはファン度の強さによるだろう。

中短編3編のラインアップは次のとおり。
凶器に使われたナイフの奇妙な窪みから犯人を絞り出す「ドン・ファンの死」。明白な動機を持つ兄妹の母殺しの意外な犯人が明らかになる「ライツヴィルの遺産」、そして容疑者の無実を晴らすためにエラリイが介入する「キャロル事件」。

この中で後期クイーンの諸作品のテイストを最も色濃く感じさせる「キャロル事件」が佳作と云える。事件そのものは地味で、明かされる殺人事件の犯人も驚きはなく、逆に肩透かしを食らった感はあるものの、エラリイが最終9ページに亘って開陳する推理の道筋と犯行に至った犯人の心理はなかなかに考えさせられるものがある。逆に人間というものはそれほど論理的に行動する生き物ではないという、推理を超えた推理を見せられた気がした。

No.1 6点 2009/01/27 23:57
ポーカーにたとえて、3編の中編と2編のショート・ショートを交互に配したフルハウスです。
2編のショート・ショートはどちらもダイイング・メッセージものですが、たいしたことはありません。というより、『Eの殺人』はその形でメッセージを残した理由がわかりません。
中編の『ドン・ファンの死』でもダイイング・メッセージは使われていて、これはかなり後に書かれた『最後の女』とは正反対のパターンですが、こっちの方が自然だと思います。また、凶器のナイフから導き出される推理がすっきりしていて、好ましい印象の佳作です。『ライツヴィルの遺産』は平凡な印象ですが悪くはありません。しかし、なんといっても最後の『キャロル事件』が、ライツヴィルもの最初の3長編にも通じるようなテーマ性を持った作品で、よくできていると思います。


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