皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格 ] 九尾の猫 エラリイ・クイーン |
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エラリイ・クイーン | 出版月: 1954年10月 | 平均: 7.09点 | 書評数: 22件 |
早川書房 1954年10月 |
早川書房 1978年07月 |
早川書房 2015年08月 |
No.2 | 7点 | E-BANKER | 2010/04/02 21:36 |
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いわゆる「ミッシング・リンク」をテーマとした古典の代表作。
一見して全く関係がないと思われた多数の被害者をつなぐ”見えない輪”をエラリーが独特の嗅覚で探り当てます。 ただ、割と早い段階でこの「リンク」が判明してしまうところが玉に瑕。読者としては、もうちょっと終盤まで引っ張ってもらって、ラストで鮮やかに解決!という方がスッキリすると思うんですが・・・ 確かに、ラストでもう一捻りが控えているので、不満一辺倒ではないんですけどねぇ・・・ 動機はちょっと安直かなぁと思ってしまいます。 不満の多い書評ですが、それは期待の裏返しということで、良作なのは間違いないでしょう。 |
No.1 | 7点 | 空 | 2009/04/25 13:00 |
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クイーンの全作品中、最も殺された人数が多い本作では、早々に「ABCの殺人理論」を持ち出してきて、クイーン警視にあっさり否定させることで、そのタイプではないことを示しています。被害者たちの隠された共通点は何か? これこそがミッシング・リンクということです(その意味では『ABC殺人事件』はミッシング・リンクではありません)。
大都会ニューヨーク全体を舞台にした恐怖の連続殺人が描かれる本作は、前作『十日間の不思議』以上にサスペンスが重視される一方パズラーからは遠ざかり、また名探偵エラリーの悩みも大きくなるという、重厚長大な読みごたえのある小説になっています。 |