カトキさんの登録情報 | |
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平均点:7.62点 | 書評数:8件 |
No.8 | 9点 | 夏のレプリカ 森博嗣 |
(2004/11/13 23:14登録) 最終章でかなりの衝撃を受けた。何度も鳥肌が立ちました。シーンの作り方が絶妙だったからかな。トリック自体は普通だけど、人間関係と特異な心理描写がいい意味でアクセントを付けている。S&Mシリーズの中ではかなり上手くまとまった作品のように感じた。 ま、最後に一言言うなら、あのチェスシーンはとにもかくにも衝撃的でした…。 |
No.7 | 8点 | 幻惑の死と使途 森博嗣 |
(2004/11/05 10:51登録) トリックはストレートな直球。しかしそれを見落としてしまっていて、解決場面は新鮮に感じられた。ただ犯人に関しては、中盤で名前が明かされた瞬間から見当が付いてしまい、結局そういうオチか、という感じ。私は複雑すぎるトリックよりもこういった明快なトリックの方が好きなので楽しんで読めたが、難解なトリックを好む人には物足りないかもしれない。 |
No.6 | 9点 | 十角館の殺人 綾辻行人 |
(2004/09/14 17:40登録) 確かにパクリと言っちゃそれまでだけど、パクリで済ませるには惜しい作品だとも思う。筆者自身も言っているように文章は稚拙かもしれないけど、全体の構成としては巧く感じるしセリフもそんなに悪評出るほどじゃない。むしろ展開が巧くて、犯人の目星はつきながらも最後の演出にやられて鳥肌が立った。読みやすいし面白いし、ミステリ初心者の方にはオススメかな。 |
No.5 | 8点 | 封印再度 森博嗣 |
(2004/09/10 00:39登録) 壺の中の鍵というテーマ性に惹かれた。話の膨らみ具合、描写が程よく、グイグイ引き込まれた作品。エイプリルフールの所は、諏訪野の告白の時にかなりの衝撃を受けたので真実を知ったときには色んな意味で笑みが零れた。多少強引な点はありつつも、最後には今まで定義されていた謎が全て線で繋がる。犀川と萌絵の恋愛話もいい割合で含まれていて、S&Mシリーズが好きな人にはお勧め。 |
No.4 | 6点 | 詩的私的ジャック 森博嗣 |
(2004/09/02 21:33登録) なんだろう、ミステリー作品としては消化不良。ミステリーらしくないというか、読者があれこれ考えるには向かない。というのはトリックが専門的すぎたり、現場などの描写が足りなかったり、犯人含め登場人物の思考・志向が奇抜すぎたりってのが原因かと。でも普通に読むにはそれなりに面白かった。逆転の発想があちこちに入ってて感心する部分もありつつ、やはり何かミステリ作品としての不完全さを感じた作品。 |
No.3 | 8点 | 笑わない数学者 森博嗣 |
(2004/08/18 10:42登録) 森作品の味が出ていて非常にいいんじゃないかと。オリオンのトリックについては私も読んでいてすぐに解ったが、この作品の最も興味深い部分はそこではないと感じる。最後まで読んでみてもなお、心に燻るものがあるのは森作品ならでは。犯行のトリックの難易度に限定すると初級のミステリーにとどまるが、作品全体を見渡すと非常に面白い出来になっていた。 |
No.2 | 4点 | 冷たい密室と博士たち 森博嗣 |
(2004/08/10 15:27登録) やはり犯行の根本となる動機が確立できていないのではと感じる。人間の感情が推測で測れるものではないにしても、立場や環境を考えるとやはり犯人の行き過ぎた思考を感じてしまう。特に服部の殺害に関しては理解できない。丹羽に対してはきちんとした殺害理由があるものの(この殺害理由も私には不愉快だったが)、服部に関してはわずか1行足らずしか理由がない。そう言った意味も含めて非常に不完全さを感じる作品だった。 |
No.1 | 9点 | すべてがFになる 森博嗣 |
(2004/08/10 15:23登録) 没頭した一冊。キャラクターは非現実的ながらも、感情描写は森氏独特で、芸術性すら感じる。舞台設定や細かな用語に抵抗を感じる人もいるかもしれないが、それも含めて名作と言える出来。ただトリックの根本となる博士の出産点については、う〜んと思ったりもする。ま、それも含めて「天才」を見事に描写した森氏に敬服。 |