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ミステリの祭典

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臣さんの登録情報
平均点:5.91点 書評数:667件

プロフィール| 書評

No.7 6点 真昼の誘拐
森村誠一
(2009/04/06 11:56登録)
誘拐と殺人の2本立ての設定が面白く、テンポ、展開もよい。偶然が重なりすぎてリアリティには欠けるが、十分に楽しめるサスペンスミステリだと思う。
社会派、本格、時代小説、ノンフィクションと何でも書ける器用な作家だけあって、少々無茶なところがあっても、そんなことは、ストーリーと流れの良さで忘れさせてくれる。


No.6 6点 敗北への凱旋
連城三紀彦
(2009/03/29 12:14登録)
暗号は難解すぎます。これでは誰にも解けません。
しかし、難解にしたことの理由が本作品の最大の謎ではないかと思います。
真相や動機はあまりにも壮絶、壮大で、並みの作家だったら白けさせるでしょうが、連城の文章なら違和感なく受け入れられました。
十分に余韻が残ります。
この作品、謎解きに必死になって読むより、いっきに読み通したほうがいいかもしれませんね。


No.5 7点 時間の習俗
松本清張
(2009/03/22 17:11登録)
30数年前に読み、数年前にまた読んだ作品。
清張以後という言葉も生まれたほど、清張は社会派推理の原点の人だが、本作品は写真トリックも秀逸で、謎解きに関して本格派作家と十分に肩を並べているように思う。
個人的には、点と線よりも好きですね。
ただ、再読のとき、初読のときほどの感動がなかったのが残念。


No.4 5点 密閉教室
法月綸太郎
(2009/03/22 13:21登録)
1つの殺人事件で、種々の謎があって、どんでん返しもあるし、あとで見返したら伏線もばっちり。
読後は余韻で少し興奮気味だったけど、2週間ほど経った今、何がよかったのか思い出せません。単に忘れっぽいだけかもしれませんが・・・
法月は初めてで、あと2,3作品読んでみて、好みのものがあれば続けて読もうかな、というのが今の感想です。


No.3 7点 ロシア幽霊軍艦事件
島田荘司
(2009/03/21 09:59登録)
アナスタシアが白軍から逃げ出してから、クラモチと日本に行くまでの後半は圧巻。
謎解きも、芦ノ湖の軍艦とアナスタシア自身についての2本立てで、まずまず面白い。前者は想像つかなかったですね。
でも、これは歴史ミステリだから、本格を期待すると裏切られるかも。どんでん返しもないしね。
ミステリとしては70点ぐらいだけど、ロシアの歴史に触れられたし、満足できました。


No.2 9点 隠蔽捜査
今野敏
(2009/03/17 11:54登録)
どういうラストになるのかな、とワクワクしながら読みました。そして、爽快な読後感。すぐれたトリックがあったわけでもないけど、ミステリとして抜群の出来ばえだと思います。
更なる期待をこめて、9点。


No.1 4点 半落ち
横山秀夫
(2009/03/17 11:26登録)
とにかくラストがひどすぎた。直木賞を逃すのも当然。
テンポもよく、構成も抜群なのに惜しい。やはり、ミステリだけでなく、小説はラストが評価の決め手ですね。

(思いついて追記) 2009.6.5
本作について直木賞の選考会では、横山氏の候補作品である本書に関して、とある理由で女流作家が大騒ぎし、その後大波紋となったそうです。その経緯については納得のいかないことも多いのですが、だからといって本書を擁護する気にはなれません。

本作を一文で評すれば、「最後の数ページを除けばすぐれたミステリ、ラストは臭いヒューマンドラマ」です。「空白の2日間」という謎を最後まで引っ張っておきながら、あんな結末で締めくくるなんて、ミステリファンをなめてるのか、と言いたくなります。(少し私の偏見もあるのですが)

横山氏の短編は概ね絶品です。でも、短編が良いということは、逆に言えば長編はイマイチなんでしょうか?そのあたりを探れば、本作(横山氏)の欠点の本質が見つかるかもしれません。

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