home

ミステリの祭典

login
こもとさんの登録情報
平均点:6.60点 書評数:86件

プロフィール| 書評

No.6 5点 夏と花火と私の死体
乙一
(2007/10/13 12:34登録)
 「そろそろ一冊くらい」と、手にした乙一氏作品です。
 確かに、おもしろかった。 いや、それ以前に読みやすかったと言うべきか。 その点は、高く評価。
 ホラーという括りのこの作品ですが、乙氏が意図した怖さって、何だろうか、と。 ホラーによくある超常現象のようなそれよりも、私は生身の健くんの一挙手一投足に恐怖しました。


No.5 6点 木曜組曲
恩田陸
(2007/10/13 12:33登録)
 1人ずつの毛色は違うけれど、この5人には間違いなく共通性がある。 『転んでもただでは起きない女たち』という印象。
 こんな心理物って、恩田氏は上手いです。 ストーリーの中で、追い詰められていくのはキャラだけというのではなくて、読者にも、今後の展開に対する無言の圧力がかけられてくるのです。
 映画化されたということなのですが、場面設定がうぐいす館のみとなる今作は、むしろ、舞台で見たい気がする。 静子役には、迫力が欲しいところ(笑)


No.4 8点 扉は閉ざされたまま
石持浅海
(2007/10/13 12:29登録)
 贅肉を削ぎ落としたようなスマートな展開っていかがでしょうか?
 互いに一歩も退かない、両者の息詰まる攻防にゾクゾクしました。
 あぁこの感覚、東野氏の『どちらかが・・・』を読んだ時のよう。 ここまで来るともう、『トリック』云々じゃないのです(あ、この言い方は失礼か?)、答えに辿り着かせまいとする、或いは答えに辿り着こうとする、一騎打ちとも言える過程が魅力なのです。


No.3 5点 凍える牙
乃南アサ
(2007/10/12 20:15登録)
 いやー、この超有名処の本を、今更って感じですが。 いえね、確かに上手いんですよ。 読みながら涙が出たのも確かだし、警察に於ける音道の立場も、共感出来ますしね。 でも今一つ盛り上がりに欠けた気がするんだなぁ。
 それは、本の厚さの5分の4までがあまりにもスローで、そのくせラストが唐突に来たという感じが否めないからかもしれない。 「ラストのスピーディーな展開」と言い換えることも出来ると思うのだけれど、私の感情はそのスピードに置いて行かれた・・・そんな感じ。


No.2 3点 Q&A
恩田陸
(2007/10/12 20:13登録)
 これって、ミステリなのでしょうか? どうにも、消化が悪いんですけれど。
 たぶん、傑作なのだとは思う。 ショッピングセンターで起こった悲惨な事故の全貌を明らかにしようという、Q&A形式のみで進行するお話は、とても魅力的な構成なのだから。 でも・・・中途半端だなぁ、と思ってしまう。 「結局、今までの本一冊分の長い遣り取りは一体何だったの?」という虚脱感が襲ってきて、完結しない。
 それでも、恩田氏以外の作家がこの作品を手がけていたら、もっと完成度は低かったんだろうと、自分を慰めてみたり。


No.1 6点 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件
麻耶雄嵩
(2007/10/12 20:04登録)
 面白かったですよ、ええ。 メルカトル鮎の最初の事件を読んでいないうちに、最後の事件とは、コレ如何にって感じでしたが(笑)
 文章はとてもまどろっこしく、特に前半は物語の中に入っていくのに、骨が折れました。 人物二人の会話も、「一体、どっちがしゃべってるの?」って時が、しばしば。 でも、読み進むうち、この「蒼鴉城」というモノモノしい舞台には、この語り口が必要なのだと摺りこまれてしまいまして、後半はハマってました。 慣れって怖い(笑)

86中の書評を表示しています 81 - 86