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ミステリの祭典

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掟上今日子の推薦文
忘却探偵シリーズ

作家 西尾維新
出版日2015年04月
平均点5.80点
書評数5人

No.5 6点 バード
(2022/10/17 07:10登録)
(ややネタバレあり)
一冊目の『備忘録』から連続で挑戦。一冊目よりも大味と感じたため、点数は低め。
本書の構成上メタ的に事件の犯人を推測できてしまうのが弱い。また彼を犯人と予想するための傷の位置や角度の情報は謎解きパートより前の記述では不十分で、やや不親切と感じた。

実は一番驚いたのは一冊目の相棒キャラの隠館厄介が外され、別キャラが相棒だった点。てっきり一巻のコンビの継投と思いこんでいたので意表をつかれた。ただ、全ての出会いが一期一会な今日子さんの性質をよくよく考えれば、相棒が変わる方が自然だわな。

No.4 4点 ボナンザ
(2020/03/23 22:15登録)
前回いい感じで終わらせておきながら何のためらいもなく別の語り部と絡ませるのは流石西尾維新。
ミステリとしてはやや冗長に感じた。

No.3 5点 yoshi
(2015/12/30 22:25登録)
今回の語り手の親切クンは、前作の隠館クンに比べて思考をダラダラと垂れ流すタイプらしく、
会話ひとつひとつに内面のコメントが延々とつき、しかも繰り返しも多い。
一言で言うと冗長の極みで、30枚くらいの短篇で書けそうな話が長編になっている。
それも一つの才能と見るか否かで評価はわかれるだろうが、私は退屈だった。

No.2 6点 メルカトル
(2015/05/08 21:50登録)
前半のワクワク感と比べると、後半は若干トーンダウンの感がしないでもない。全体的にストーリーがあっさりしており、複雑系が好みの読者には物足りないかもしれないが、じっくり読み込むことによって、なかなかの味わい深さを堪能できる。
忘却の探偵、最速の探偵という特異なシチュエーションを物語に据えることにより、常に注意深さを要求されるので、作者側も丹念に描きこんでいる印象を受ける。
物語は登場人物が限られているため、自然予想される通りに進行するが、実はこれは織り込み済みで、そのためホワイダニット、ハウダニットに特化される。予定調和的な一面がかなり強いが、だからと言って本作が退屈であるとか、意外性に欠けるというわけでは決してない。

No.1 8点 虫暮部
(2015/05/07 09:10登録)
 登場人物が4人(うち2人は探偵と語り手)という、ミステリとしてはなかなか挑発的な構造で、しかもストーリー自体は結構単純で、紆余曲折で引っ張るわけではない、にもかかわらずこのサイズの長編に仕立て上げて面白く読めてしまうのだから作者の筆力恐るべし。
 ところでこのシリーズで私の印象に最も残るのは、一見萌えキャラのような今日子さんの“忘却探偵”ゆえの深い孤独(前作の語り手・隠館くんが影も形も無い)。そしてそれを平然と飲み込んでいるっぽい彼女のメンタリティの不気味さ、である。

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