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ミステリの祭典

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夕暮れ密室

作家 村崎友
出版日2015年02月
平均点5.00点
書評数5人

No.5 6点 虫暮部
(2022/08/09 12:29登録)
 バレー部員のキャラクターを読み分け出来ない感じが多少あった。犯人特定のロジックはいいね。変則的な構成は、読者を変に勘繰らせる以上の意味があるのか。

 因みに、20%の酸素が16%になるくらいで危険らしい。従って偶然他の気体が数%発生するだけで充分。
 もう一つ。トリックと類似の実話、“気密性が高過ぎてああなっちゃった欠陥住宅” の記事を読んだことがある。“設定” と言うことでアリじゃないかと私は思う。

 えっ、メタリ……時空を越えた伏線?

No.4 5点 HORNET
(2016/03/07 20:59登録)
 青春ミステリらしいライトなタッチで読みやすく、ミステリアスな雰囲気もそれなりにあるので、楽しんで読むことはできた。
 ただ、無駄に冗長な感じは否めない。特に天文部の(名前忘れた)オタクっぽい男子の密室推理のくだりとか、不要に感じた。

<ネタバレ>
 ミステリ的には△、という感想がここまでも見られるが、自分は、一番の欠陥は登場人物ごとの手記による章立てだと思う。だってそのまんまじゃん。そりゃないよねぇ。

No.3 4点 まさむね
(2016/02/14 11:47登録)
 正統派の密室ハウダニット作品ではあります。青春モノとしても、ありがちな展開とは言え、決して悪くありません。が、何点かの疑問が。

(以下、ネタバレ要注意)
 まず、この密室は本当に完成するのか。換気扇から本当に漏れないのか。ポスターで塞がれた程度で、ソコまで可能なものか…。うーん、素人目で見ると、相当に無理っぽいのだが…。それと、ソレで空かない扉について、本当に鍵が閉まっていたことと誤認するでしょうかねぇ。感触が全然違うと思うのですが…。
 また、各々の生徒の独自の推理って必要だったのかなぁ?あまりにも杜撰というか、訳のわからないロジックもあって、何とも…。

No.2 4点 yoshi
(2015/10/11 01:51登録)
青春群像劇としてはまずまず。
ただミステリーとしては不満。まず視点人物が変わるたびに披瀝される事件の真相(らしきもの)が、いかにもダミーの推理ですよという感じのレベルのものばかりなので、真相に至るまでのページ数稼ぎのように思えてしまう。いくら何でも偶然酸素と窒素が分離したはない。最後にあっと言わせてくれればそれも払拭されるのだが、そこまでは行かなかったのが残念。
そもそもこの密室は成り立つのだろうか? 換気扇は文字通り「換気」するものであり、室内の気圧を変えてしまうような力はないだろう。もしあったとしたらそれは欠陥商品なのではないか?

No.1 6点 kanamori
(2015/04/01 19:00登録)
文化祭当日の朝、男子生徒の憧れの的だったバレーボール部のマネージャー・森下栞が、校舎別棟のシャワールーム内で遺体となって発見される。現場は二重の密室状況のため自殺として処理されそうになるが、疑問を持った部員やクラスメイトたちは真相の究明に乗り出す---------。

第23回横溝正史ミステリ大賞の最終候補作を全面改稿した学園ミステリ。
被害者になる女子生徒の視点で語られる第1章以降、各章で視点人物を入れ替え、部員やクラスメイトたちがそれぞれ異なる立場、視点で事件に向き合い、多重推理を披露していく構成がユニークです。サークル部室に住込むアニメオタク男子とか、性同一性障害の男女生徒のような極端なキャラは登場せずw、恋愛や将来に対する悩みや不安を抱える等身大の高校生による、一昔前の田舎の学校の青春群像劇という感じは個人的に好印象を受けました。
一方で、謎解きミステリの面では少々不満もあります。密室トリックは前例がありそうでなさそうな大技で面白いのですが、犯人を特定するロジックが結構甘いように思います。また真相はいかにも青春ミステリといった苦い内容ですが、逆に言えば少々ありきたりかなという感じがします。

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