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ミステリの祭典

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パティシエの秘密推理 お召し上がりは容疑者から
喫茶店プリエールの名探偵兄弟/別題『難事件カフェ』

作家 似鳥鶏
出版日2013年09月
平均点5.20点
書評数5人

No.5 5点 mediocrity
(2020/07/03 02:44登録)
100ページほどの中編が4つ。タイトル、表紙から想像していた印象とはかなり違った。なんだか全体的に重い。表紙買いした人は途中で読むのをやめそうだ。
女刑事が「そうッス。えへへへへ」みたいな口調を一切崩さないので、その点でも受け付けない人がかなり多いと思う。暗い話が多いので余計に彼女だけ浮いて見える。
トリックには面白い物もいくつかあったのだが、どの話においても、警察は科学捜査を本当にきちんとやったのかと突っ込みたくなった。

No.4 5点 青い車
(2020/03/01 11:32登録)
 ある特殊分野の知識をミステリに絡めるという手法は他の作家でもたまに見られるものですが、似鳥鶏はそれがとてもうまい人だと思っています。しかし、本作に関してはその職業ネタとミステリ部分のシンクロ度がいま一つだったのがやや不満でした。特に第二話ではパティシエが謎を解く必然性が薄いように感じました。

No.3 5点 まさむね
(2015/11/30 19:17登録)
 ストーリーとして敢えてスイーツにこじつける意義が少ないような気がするなぁ…、そもそも喫茶店・珈琲店・ビストロ系ミステリ(勝手に括ってみた)は食傷気味なんだよなぁ…ってのが、正直な感想。
 一方で、第3話「星空と死者と桃のタルト」における“放射線おばちゃん”の描き方など、「そうそう、いるいる!こういうタイプ!」と膝を打つ場面もございました(ミステリとしては直接関係ないですけどね…)。各短編自体は悪くなく、連作モノとしても無難にまとめていると思います。

No.2 5点 kanamori
(2014/06/22 12:51登録)
俺が経営する喫茶店”プリエール”のパティシエとして働く弟の智のもとに、県警本部は秘書室の直ちゃんを送り込み難事件の相談を持ち掛ける。弟の智は鋭敏な推理力をもつ元県警のエリート警部で------。

4つの中編からなる連作本格ミステリ集。
タイトルからは東川篤哉風の軽妙な内容をイメージさせ、また似鳥氏だからそういった作風のモノを期待していましたが、最終話などは意外とヘビィな真相になっていました。
シリーズの設定自体は新味を覚えず、やや食傷気味なのですが、トリック面ではなかなか面白かった。各話ともアリバイ偽装がメインとなっていて、トリックは既存作品のヴァリエーションでありながらも作者の工夫が感じられます。なかでは第3話「星空と死者と桃のタルト」が個人的ベスト。

No.1 6点 makomako
(2013/10/20 13:07登録)
 三上氏のビブリア古書堂が当たってからこの手の物は良く見かけるようになったが、どれもビブリアより落ちると思います。似鳥氏のトリックメイクはなかなか優れていると思いますが、いかんせん直井巡査のーーッス言葉は何とかならないものかねえ。女の警官がこんな言葉使いは(作者もそんな風に書いてはいるのだが)いただけませんね。読むのが嫌になる。
 最後の話は犯人は何となく分かってしまった。犯人を決めておいてから後出しのような展開はもう少し何とかできそうなんだけど。
 氏のトリックメイクに期待はしています。

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