home

ミステリの祭典

login
チェーン・ポイズン

作家 本多孝好
出版日2008年10月
平均点5.60点
書評数5人

No.5 5点 パメル
(2025/07/11 19:13登録)
主人公は、生きる意味を失った独身のOL。ある日ふと「もう死にたい」とつぶやくのだった。だがそこに一人の人物が現れ、「本当に死ぬ気なら、一年待ちませんか?」と謎の提案をし、一年後にご褒美をあげると告げ去っていった。また物語は一方で連続する毒物自殺事件を追う週刊誌記者の視点が交錯しながら展開していく。
この作品は生と死という重いテーマを扱いながら、ミステリとしての面白さと人間の本質に迫るテーマ性を兼ね備えている。現代社会の闇を浮き彫りにしながら、どこか優しい光が射し込むような描写は、作者の真骨頂といえるでしょう。巧みな構成ではあるが、ミステリ的な仕掛けは目新しさはなく、違和感を覚えて気付く人も多いのではないでしょうか。

No.4 7点 いいちこ
(2025/01/06 16:36登録)
プロットにかなりの無理を感じるうえ、トリックは相当に既視感が強いものであり、ミステリとしては水準程度の評価。
ただ、本作に込められた問題認識やメッセージに強く共感を覚えてこの評価

No.3 6点 パンやん
(2016/04/06 07:27登録)
残りページが気になりだした途端、やはりねぇという展開にはなるが、驚くべき超リーダビリティー作品であった。文体のリズムの良さか、口語体とはいえ、あっという間、この一気読み感は半端ない!自殺ものにして、読後感がさわやかなのもビックリ。

No.2 4点 バックスクリーン三連発
(2014/07/09 16:40登録)
都会の中の孤独な中年女性の最後の一年を追跡取材を通して
現代の風潮を反映させようとの狙いなのか
この女性が自分と重ねあうところがあって
嫌な気分でよんでいました
なのでラスト50ページで毒物を渡したのは誰か?と
作風が変わったような気がしました
さらには新事実が判明し
この本が叙述系の小説だったということが私にも判明
したしだいです。

No.1 6点 haruka
(2013/08/31 16:25登録)
1年後に自殺するために生きる女性と、連続自殺事件を追う週刊誌記者。果たして1年後の女性が下した選択は・・・という話。死を決意した人間の1年間を丁寧に描くことで、生きることの意味を考えさせられる。トリックに目新しさはないけれど、読後感は◎。

5レコード表示中です 書評