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ミステリの祭典

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リカーシブル

作家 米澤穂信
出版日2013年01月
平均点5.40点
書評数5人

No.5 5点 zuso
(2020/05/25 18:12登録)
町と住民の間に流れる不穏な空気の描写が印象的なホラーサスペンス。

No.4 4点 ボナンザ
(2019/08/16 21:10登録)
ボトルネックほどは悪趣味でないのがよかった。
とはいえ大人は総じてクズ。

No.3 5点 sophia
(2018/11/30 00:19登録)
正直なところタイトルもピンと来ませんし、あらすじを読んでもあまり興味を引かれなかったのですが、私の好きな米澤作品でなおかつこのミス上位に入っていたので読んでみました。結果、やっぱり期待はずれでした。半分読んでも3分の2読んでも面白くならない。情景描写や回想が多いですし、伏線も次々に出てくる割に途中で回収されることがなくストレスが溜まりました。最後まで読んでしまわないと何も分からないタイプの作品で、「さよなら妖精」並みに読むのに根気が要りました。それで肝心の真相ですが、ちょっと無理があると思います。いつの時代なのかと。しかも結局何一つ解決してないですよね。

No.2 6点 kanamori
(2016/02/17 21:00登録)
中学生の少女ハルカは、父の失踪により、母と弟の三人で過疎化が進む母の故郷に引っ越してきた。だが、その町では、高速道路の誘致をめぐる暗闘と、未来予知にまつわる江戸時代からの伝承で不穏な空気が漂い出していた--------。

少年少女を主人公にした青春ミステリは作者の十八番とするところですが、本書は、古典部シリーズや小市民シリーズのようなライト系のテイストは感じられず、ハルカの複雑で貧困な家庭事情や、町に伝わるオカルトじみた伝説が絡むことで、作品全体がうす暗い雰囲気に包まれています。個人的には、設定が三津田信三のノンシリーズのホラー小説風、作風は道尾秀介の文芸路線ものを連想させるところがありました。
ミステリとしてのキモは、町に移り住んだとたんに、弟のサトルが未来予知や過去視が可能になったような奇妙な言動を繰り返すことにつきますが、伏線をふくめ、その真相の部分は非常に面白いと思います。ただ、なかなか核心の事件が起こらないジワジワした展開は、好みが分かれそうではありますね。
あと、作品紹介のなかの”あの名作「ボトルネック」の感動ふたたび!”という一文ははたしてどうなんでしょう。キャッチコピーとしては、逆効果のような気がします。

No.1 7点 虫暮部
(2013/06/24 09:10登録)
真綿で首を絞めるようにじわじわと明かされる諸々のネタと、思春期の主人公の心情が巧みに絡み合って、非常にスリリング。“何を描くか”ではなくて“どのように描くか”がやはり重要なのである。
 ところで、この作品が悪いわけではないが、こういった“本当は違和感を感じているけれど、空気を上手に読んで、学校内のヒエラルキーに対応して、友達関係を維持しないと……”という類の設定には最近少々食傷気味である。

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