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ミステリの祭典

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歪笑小説

作家 東野圭吾
出版日2012年01月
平均点5.29点
書評数7人

No.7 6点 take5
(2019/07/20 23:28登録)
この文庫を読む時間があったら、東野圭吾ならもっと
よい作品がたくさんあります。
とは言うものの、出版界の裏話を皮肉ったり、
誰よりもかつての自身を皮肉ったりなど、
結構深かったです。

No.6 6点 まさむね
(2017/10/17 22:32登録)
 ~笑小説シリーズ第4弾。今回は、出版社・編集者・作家の関係に特化した短編集です。連作短編と言ってもいいかな。業界ネタというか楽屋ネタという捉え方もできるのでしょうが、ソコも含めて面白い。シリーズの他作品と比して表面的な”毒”は弱いものの、底流に流れている”毒” 自体に結構ハマりました。
 この作品は、東野圭吾だからこそ書けるのだろうし、読者としても笑えるのだろうなぁ、そんな気がしました。

No.5 5点 いいちこ
(2015/12/10 19:19登録)
最も手堅く笑いが取れる文筆界の楽屋ネタに絞り込んだことで、大きなハズレはなく、水準を超える2~3編も存在。
その結果、「黒笑小説」はもちろん、「怪笑小説」もわずかに超えたものの、強烈な毒のある作品は見当たらず、やや単調さも感じてこの評価

No.4 8点 Tetchy
(2015/06/15 23:18登録)
おかしくもやがて哀しき文壇の面々を描いたユーモア連作短編集。東野圭吾のユーモア小説集『~笑小説』シリーズ第4弾。前作『黒笑小説』の冒頭で4作の連作短編となっていた出版業界を舞台にしたブラックユーモアの短編が1冊丸々全編に亘って「歪んだ笑い」を繰り広げる。いわゆる出版業界「あるある」のオンパレードだ。

その内容は前作よりも明らかにパワーアップしているから驚きだ。何度声を挙げて笑ったことか。特にモデルとなった実在の作家を知っていれば知っているほど、この笑いの度合いは比例して大きくなる。

この実に際どい内容を売れない作家が書けば、単なるグチと皮肉の、負け犬の遠吠えに過ぎないだろう。しかしこれを長年売れずに燻っていたベストセラー作家の東野氏が書くからこそ意義がある。彼は売れた今でも売れなかった頃の思いを決して忘れなかったのだ。だからこそここに書かれた黒い話がリアルに響いてくる。そして本書を刊行した集英社の英断にも感心する。特に本書は東野氏がベストセラー作家になってからの刊行で、しかもそれまで単行本で出していたのを文庫オリジナルで出したのである。つまり最も安価で手に取りやすい判型でこんな際どい業界内幕話を出すことが凄いのである。

そしてここに挙げられているのは単なる笑い話ではなく、現在出版業界を取り巻いている厳しい現実だ。本書は笑いをもたらしながらも、これから作家を目指す人々にやんわりと厳しく釘を差しているのだ。

東野氏のユーモア小説集『~笑小説』シリーズの一ジャンルに過ぎなかった出版業界笑い話は本書で見事1つの大きな柱と昇格した。そしてそれらは実に面白く、そして作家を目指そうとする者たちにとって非常に教訓となった。願わくば次の作品群を期待したい。これは長年辛酸を舐めてきた東野氏しか書けない話ばかりなのだから。

No.3 5点 白い風
(2012/06/04 22:53登録)
東野さんが定期的出されている、○笑小説シリーズですね。
今回は小説業界の扱った作品でした。
編集者・新人作家・大御所作家・・・など様々な視点からの作品でそれなりには楽しめました。
でも、やっぱり私は東野作品は長編の方が好きですね。
特にこの○笑小説は息抜きのような気がして・・・。

No.2 4点 kanamori
(2012/03/12 21:59登録)
出版社や小説家先生の生態をネタにしたユーモア連作集。
本書の原稿に目を通した時の、版元・集英社担当者のリアクションを想像して読むのも面白いかも。

ただ、これまでの「〇笑小説」シリーズと比べると、ブラックさや過激さが減退していて、変に編集者や若手作家に対して気を使っているように思えるのは気のせい? 
今の東野圭吾なら何を書いても許されると思うんですが(笑)。

No.1 3点 ムラ
(2012/02/01 15:50登録)
ブラックな笑いというので超・推理作家みたいな感じのを期待したのだが、思ったよりも黒さが足りなかったのが残念。
ただ、青木がぶち切れる所や、玉沢の熱海に対するコメントは笑えた。最後の書き下ろしによる作中作の内容も不意をつかれてよかった。
しかし、小説連載が売れるのか疑問だったけど、この本が本当ならやっぱ売れてないのね・・・。
本格ミステリに対するコメントは名探偵の呪縛見る限り本心なんだろうと思う。

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