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ミステリの祭典

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魔女は甦る

作家 中山七里
出版日2011年05月
平均点6.20点
書評数5人

No.5 6点 HORNET
(2015/08/20 15:37登録)
原形をとどめないほどにバラバラ、ミンチ状にされた死体から始まる序盤から、一気に読みたくなるほど読ませる筆力はこの頃から健在。殺された青年、桐生隆の経歴、背後関係を明らかにしていくにつれ事件の背景が見えていくあたりはミステリなのだが、真相が明らかになってからの後半は完全にパニック映画の様相。
 さらに結末があまり好きになれない。
 そんな感じでいろいろと思いはあるが、読んでいるときはのめりこんでいたので、一応「楽しめた」で。

No.4 6点 蟷螂の斧
(2013/10/10 20:12登録)
ミステリーというより、パニックホラー系の作品です。前半は、バラバラ死体を捜査する刑事を中心に物語は進みます。真相が判明した後半は、ヒッチコックの有名作品+ミラ・ジョヴォヴィッチ主演映画のような展開です。被害者(男性)が、その場所へ訪れた目的は?(この真相を知りたいのですが・・・)、負傷した刑事と、被害者の恋人のその後は?と未完のままで終了。続編「ヒートアップ」でということか?

No.3 6点 kowai
(2013/08/27 06:14登録)
やるせなーい話のオンパレードでしたが、話の展開は速く、一気に読めましたので+1点。これまでの作品傾向からラストを期待してましたが(伏線も張られているので反則ではないんですが)なーんだって感じでした(こちらの作品の方が先だったようですが。。)。続編はどうつなげるんでしょうねぇ。。

No.2 6点 メルカトル
(2013/08/18 22:26登録)
80個以上の肉片と化した細切れ死体、謎の薬品会社、何匹もの飼い猫の失踪、嬰児の誘拐と、序盤の掴みは完全にOK。
ダークな雰囲気も好みの範疇にあるので、読んでいて何ともやるせない気持ちにさせられるのは事実だが、苦痛とは感じなかった。
ただ残念なのは、真相の説明があまりにもあっけないこと。それまでの捜査で色々な事実が詳らかにされているので、それで十分納得はできるわけだが、それにしても何ともあっさりしすぎている。
それと犯人像、これにはいささかがっかりである。
我々読者はこういうのを求めているのではない、とだけ言わせていただこう。
本作は、実質的なデビュー作のようなものなので、やや荒削りな面があるのと、『ドビュッシー』や『カエル男』のようなどんでん返しを期待すると裏切られるので、これから読もうとする人は気を付けたほうが良い。
そして、事件を捜査する刑事達や被害者を含めて、多くの登場人物がそれぞれ暗い過去を背負っていること、事件の解決があまりに救いのないものになってるので、後味はかなり悪い。
それでも、続編の『ヒートアップ』は文庫化されたら読みたいとは思っている。

No.1 7点 虫暮部
(2011/08/24 15:36登録)
 もう全く個人的なことなんだけど、本作の舞台とされている埼玉県所沢市に30年以上住んでいます。細かい地名や場所設定は架空のものですが、なんだか妙なリアリティというか、フィクションと自分の生活の境界線が曖昧になるような感覚を読みながら味わいました。“国道沿いの集落から一キロほど離れた沼地”って、ああ、あそこか……なんて自分の中で勝手に具体的に決め付けたり。こういう読書体験は初。
 しかし、“わしみたいな田舎の駐在は事件ちゅうても喧嘩か窃盗を相手にしとるだけで、都会の犯罪がどんなものなのか新聞やニュースでしかお目にかかれません”って、そこまで田舎じゃないよ所沢は(笑)。

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