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ミステリの祭典

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完璧な絵画
ダルジール警視

作家 レジナルド・ヒル
出版日1998年07月
平均点5.80点
書評数5人

No.5 7点 YMY
(2023/11/14 22:26登録)
絵に描かれたような小村の美しい田園風景、一癖も二癖もありそうな村人や地主一家。そこに駐在の若い警官が行方不明になる。
のどかそうな村にも、地主一家の家督相続問題や村の小学校の存続問題、住人たちの複雑な関係など、何か犯罪が起きてもおかしくない雰囲気。
イギリス・ミステリのお得意の小さなコミュニティを舞台に、生き生きとした登場人物が楽しませてくれる。

No.4 7点 ことは
(2020/03/14 17:32登録)
ウィールドの出番が最も多い作。ウィールド・ファン必読。
ダルジール、パスコー、ウィールドがほぼ当分の重み付けで、それぞれの話があり、ミステリより「群像劇」の趣がつよい。
「群像劇」の味わいはこの後もつづき、後期ダルジール・シリーズの型の始まりといっていいと思う。
本作では、「プロットを語る」よりも「(エンスクームという)世界を描く」ことに比重がおかれているようで、この世界に対する好みにより評価が分かれそうだ。
この作品が楽しめれば、この後のシリーズは全部楽しめるだろう。

No.3 5点 nukkam
(2016/08/15 08:31登録)
(ネタバレなしです) 1994年発表のダルジールシリーズ第13作となる本書では「闇の淵」(1988年)と同じくクライマックスシーンが冒頭に置かれていますが、これが凄まじいです。ここでばらすのは興ざめになると思うので詳細は書きませんがあまりにも衝撃的な導入部で、早く結末にたどり着きたいと気が焦ること焦ること(笑)。残念ながらメインの事件が失踪事件なので(生きているにしろ死んでいるにしろ簡単に行方は判らない)ミステリーとしてあまり興味深い題材ではなく、中盤がやや退屈に感じました。ただこれまでのシリーズ作品ではダルジールの出番が少なすぎたりウィールドが精彩を欠いたりといった不満がありましたが、本書では3人(ダルジール、パスコー、ウィールド)にそれぞれ活躍の場がしっかり与えられていて主役陣の役割バランスという点ではこれまでの全作品中随一の出来かと思います。

No.2 3点 makomako
(2016/06/16 21:54登録)
このお話は読むのが苦労でした。
シリーズもののため初めから読んでいる人にはおなじみの登場人物が出た来たといった感じなのでしょうが、この本から読み始めた私には人物の個性があまりはっきりせず、さらになんといってもダルジール警部があまり好みでなく、そのうえ翻訳がひどいため、楽しむといった感じからはほど遠かったのです。
まあねる前に読むとすぐに眠れましたといったメリットはあったのですが。

No.1 7点 kanamori
(2010/09/23 17:15登録)
英国ミステリ教養派の伝統を継ぐレジナルド・ヒルのダルジール警視シリーズ第13作。
ヨークシャー地区の片田舎エンスクーム村という魅力的な舞台設定を得て、古典パズラーでいう田園ミステリのテイストが全開で楽しく読めた。
今作は、醜悪顔でゲイという部下のウィールド部長刑事が主役を張って、個性をいかんなく発揮してくれています。多視点で語られていくバラバラの村のエピソードがまとまって、最後にどんな構図の絵になるか、それは読んでのお楽しみということで。

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