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ミステリの祭典

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彼女はたぶん魔法を使う
柚木草平シリーズ

作家 樋口有介
出版日1990年04月
平均点5.40点
書評数5人

No.5 3点 ボナンザ
(2023/08/27 21:07登録)
草平のキャラクターが受け入れられないと厳しい。ミステリとしては単調。

No.4 6点
(2017/01/06 17:13登録)
ああ言えばこう言う、これが私立探偵・柚木草平の会話の特徴の一つ。でも、それが論理的な受け答えかと言えばそうでもない。相手を納得させるための屁理屈のようにしか聞こえない。まあ下手なディベートのようなものか。
そんな軽口をたたきながら、本場のハードボイルド探偵のように振る舞うのには閉口する。
原りょう氏の沢崎シリーズのようにとことんハードに徹するか、五十嵐貴久氏の吉祥寺探偵物語シリーズのように和製探偵的な面白要素を取り入れてあるほうが、嗜好にはマッチしている。とにかく主人公のヘマな面をもっと見せてほしい。
巷の評価では主人公・草平は三枚目とのことだが、個人的には恰好つけて、ボギーを気取っているように思えてならない。

ストーリーもありきたり。
(以下ネタバレ気味)
草平の推理にはなるほどと思ったが、これは大外れ。これこそが三枚目要素なのかもしれない。
その後の解決にも特に際立ったものはなかった。

と、文句ばかり。
でもなぜか、ほどほどに快適な読後感をおぼえた。
主人公のキャラを潜在的に楽しんだのか、あるいは登場する女性たちに魅力があったからなのか。

No.3 5点 まさむね
(2014/03/01 21:21登録)
 元刑事のフリーライター・袖木草平シリーズの第1弾。
 袖木と女性たち(小学校4年生の娘・加奈子も含む。)との会話シーンは面白かったのですが,事件の構図や展開はいたって平凡な印象。
 ちなみに,「洗濯が趣味」という主人公の気持ちは,個人的によく分かります。

No.2 6点 makomako
(2012/02/19 09:26登録)
 作者が初めてシリーズものを書くということで作り上げた柚木草平のある意味で個性で読ませる小説のようだ。
 柚木はもと刑事で中年の別居中の妻と子供があり、キャリアの警視と不倫しており等等、結構複雑なシチュエーションとなってはいるが、おしゃべりや行動様式は「ぼくと、ぼくらの夏」以来の主人公とほとんど同じなのだ。
 ある意味で安心して気取ったせりふを楽しめるのだが、新しい作品の出発といった雰囲気が少ない。
 こんなことならいっそのこと初期の作品の主人公をそのまま流用してもよかったと思えるぐらい。
 初めて氏の作品を読んだとしたら主人公のしゃれた話しぶりに感心するかもしれないが。 

No.1 7点 kanamori
(2010/08/14 16:04登録)
せつない探偵・袖木草平シリーズの第1作。
元警視庁の刑事でルポライターの主人公が、元上司の女性警部から仕事を回してもらい私立探偵もどきの活動をするうちに、というのが大筋のストーリー。
主人公の造形にはハードボイルドっぽいところがない。別居中で有名社会評論家の妻には頭があがらず、小学生の娘には同情され、事件で出会う女性(なぜかみんな美女)には、好意を得ること止まり。
大人になりきれない中年探偵の絶妙の軽口と苦笑を誘う内面描写が面白く、読み始めると癖になるシリーズです。

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