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ミステリの祭典

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幸福な朝食

作家 乃南アサ
出版日1988年11月
平均点5.80点
書評数5人

No.5 4点
(2015/01/27 09:22登録)
結構怖い小説です。狂気を感じました。
でも、衝撃があるような、ないような掴みどころのない感じもしました。

美貌が売りの沼田志穂美は女優を目指して上京するが、顔がそっくりな柳田マリ子が先に女優になり、その結果、女優としてはうまくいかず、人形使いとして芸能界に残る。

人形使いとしてそこそこうまくやっているのですが、夢を達成できなかったという挫折感があるのか、性格が屈折してしまったのか、とにかく志穂美の暗さは際立っています。
美人であっても、こんなことになるのでしょうか。結局は性格なんですね。こんなことになるのなら、もはや美人とはいえないのかもしれません。

登場人物が少なく、話も地味そうだし、読者を退屈させずにこの長さをどうやってもたせるのかと最初は不安でしたが、いちおう長編として体をなしていました。さすがはこの作者だなと思います。

視点が細かく変わりすぎることと、時系列がやたらと前後することは、たとえこの作者の特徴であっても、あきらかにやりすぎのように思います。
小説というのは、視点をどう変化させるかも自由、事象を順に書くも書かないも自由、人間をどう表現するか、それをていねいに表現するもしないも自由、ようするになんでも自由というふうに聞きますが、この作品は、そういう自由度を利用しすぎたのでは、そして技巧に走りすぎたのではと思いました。
それとも、まだまだ発展途上で、稚拙なだけの小説だったのでしょうか。はっきりいってよくわかりませんw
まあこういう長編小説があってもいいのかなと感じた次第です。

No.4 4点 蟷螂の斧
(2012/01/10 21:28登録)
第一回日本推理サスペンス大賞の優秀作となったデビュー作。1996「凍える牙」で直木賞を受賞した時のコメント~「自分では、ミステリーを書いているという意識はない。私は『人間』を書いていきたい」~とのとおり、本作もミステリー度は低く、独身女性の孤独、狂気を描いたものでした。ミステリー度よりこの評価となりました。

No.3 6点 メルカトル
(2010/06/17 21:49登録)
読み終えた直後は多分すぐ忘れてしまうだろうと思っていたが、意外に印象に残っているシーンが多い、不思議な作品。
女性の幸せは美人に生まれる事とは限らない、美人に生まれたからと言って必ずしも幸せにはなれない、という教訓を読者に知らしめる。
幸せな人生はどれも似たようなものだけど、不幸な人生は様々だと思い知らされた、そんなちょっと怖いお話。

No.2 7点 itokin
(2009/04/04 09:44登録)
女って美人に生まれただけで幸せだと思っていたがそうでもないって事が解りました。

No.1 8点 綾香
(2004/08/20 23:57登録)
結構怖い。幸せの形ってわからないものなんだな〜って思いました。

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