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ミステリの祭典

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ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。

作家 辻村深月
出版日2009年09月
平均点5.20点
書評数5人

No.5 6点 ʖˋ ၊၂ ਡ
(2021/06/14 16:03登録)
母の呪縛から逃れられない娘の人生は、自分自身のことなのかもしれないと思わされた。タイトルの意味が分かったときは、目にこみ上げるものが。特に女性におすすめですが、女性を理解したい男性にも是非。

No.4 5点 メルカトル
(2017/06/29 22:38登録)
二十代後半の幼馴染みのふたり。一人は東京の有名大学を出てフリーライターとして何とか凌ぐみずほ。もう一人は母親を殺害し、その後失踪したチエミ。第一章ではみずほがチエミの行方を捜して、チエミの関係者に接触します。第二章はチエミの一人称でストーリーが進行し、徐々に真相が明らかになっていきます。
特に前半は重苦しくテンポが悪いので、読んでいて疲れるしなんだかスッキリしない気分です。後半はやや盛り返しますが、相変わらず地味な聞き取り調査の連続で面白味があるとは言えません。赤ちゃんポストなど昔のネタを放り込んだりしているのはなかなか工夫されているとは思いますが、登場人物の多くが女性の持つさがというか、嫌らしさや醜さが浮き彫りにされており、正直気分が悪くなりました。
これまで私が読んだ辻村作品とは明らかに毛色が違うことが読むにつれはっきりしてきて、この作品は女性同士、特に母と娘の関係性をテーマにしたものだから、と割り切るしかないと感じました。
最後までさしたるサプライズもなく、ほぼ予想通りの展開に終始します。まあ作者の新境地と言えなくもないでしょうが、個人的にはあまり歓迎したくない方向に行ってしまった感じがしますね。感動できるというのが彼女の代名詞みたいなものと勘違いしていたのかもしれません。
女性には共感できる部分が多いのだろうと思いますが、男性が読むにはやや荷が重いのではないかと感じます。辻村氏の作品としてはお勧め出来かねるかなと思います。一応ミステリの体裁を取っていますが、最早ミステリとすら呼べない文芸作品なのではないでしょうか。

No.3 4点 風桜青紫
(2015/12/20 01:10登録)
うーん、いまいち。辻村さんは聡明な人だと思うから、安直に「文学」を意図したわけじゃないんだろうけど、読んでて退屈だった。みずほのおかあさんの虐待とか読んでて「ひええ」となるし、こういう身近なトラウマを書くうまさはさすが辻村って感じがするけど。ストーリーの枠組みが地味なんだな。しかしこの世界のおなごはよく壁(今回はロッカー)を蹴るなあ……。辻村さんも腹をたてたときは壁キックを決めるんだろうか(ちょっと想像しづらいww)。

No.2 6点 ayulifeman
(2012/08/09 02:44登録)
第一章の雅美、大地、亜理紗とみずほとの対峙(やり取り)が特に好き。
人間関係って大変。

No.1 5点 あるびれお
(2009/12/10 05:04登録)
最後の最後で明かされた、チエに関するある事実については驚きもあったけれど、世界を反転させるようなものではなく、ミステリ的な要素はあまりなかった。でも、読書の満足度は低くなかった。登場人物たちと同じ世代の女性が読んだら、もっと深く感じるものがあるのかもしれないけれど...

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