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ミステリの祭典

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十和田湖殺人事件
改題『死の湖畔 Murder by The Lake 三部作#2 告発(accusation)十和田湖・夏の日の悲劇』

作家 中町信
出版日1986年05月
平均点6.00点
書評数4人

No.4 5点 ことは
(2024/11/04 23:56登録)
1章では、事件の関係者が、まるで刑事の報告のように、事件の経緯を別の関係者に述べたりして、いろいろ違和感があった。2章からは、警察とのやりとりが主体になるので違和感はなくなるが、この辺が中町信の小説がうまくないところだと思う。
また、2章以降も、事件を起こし過ぎて構成が複雑になり過ぎていて、事件の全体像がなかなか整理できない。キャラクターの立ち方もいまひとつなので、誰が誰だかすっと入らないせいもある。この辺も、すこし演出を失敗しているように感じた。
ただ、解決で、ある人物のある属性を指摘し、いくつも伏線を拾い上げていくところはよかった。これはよく考えられている。
あと、作品とは別の話だが、「トクマの特選!」の装丁では、いつも表紙と同じ絵が口絵にあるのだが(通常同じだよね?)、本作は表紙と口絵で、女性の口元が違う。なにか意図があったのかな?
それと、「トクマの特選!」の帯も手許にあるのだが、そこで予告されている3作目「炎上/榛名湖に沈めた過去」(榛名湖殺人事件のことだろう)は、結局、「トクマの特選!」が止まってしまったので、出されずに終わってしまった。装丁も含めて好きなシリーズだったので残念だ。

No.3 6点 ボナンザ
(2016/02/02 23:36登録)
ここでも叙述トリック自体はアクセントのようなものだが、メインの構成がうまいため、中町作品の中では良作の部類に入るだろう。

No.2 6点 kanamori
(2012/04/17 18:41登録)
「~湖」シリーズの2作目。
定番の意味深なプロローグから始まり、十和田湖畔の不審死、”犯人”が乗る旅客機の墜落事故、推理小説の盗作疑惑などが絡むかなり複雑で錯綜したプロットです。
真相を知る人物が告発寸前に次々殺されていく展開は、もはやお約束の様なものですが、〇〇を誤認させるテクニックが「田沢湖」同様に巧妙で、最後まで犯人を絞り込めなかった。
医療関係の出版社勤務という作者の職歴から仕入れたと思われるメインのアイデアは特殊知識ものですが、伏線が丁寧に張られているのでアンフェアという感じは受けない。

No.1 7点 isurrender
(2009/08/28 18:03登録)
作品のまるでトラベルミステリのようなタイトルから考えれば、予想以上の内容
プロットとしてもよい作品だと思う

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