| 十和田湖殺人事件 改題『死の湖畔 Murder by The Lake 三部作#2 告発(accusation)十和田湖・夏の日の悲劇』 |
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| 作家 | 中町信 |
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| 出版日 | 1986年05月 |
| 平均点 | 6.17点 |
| 書評数 | 6人 |
| No.6 | 7点 | 斎藤警部 | |
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(2026/07/16 22:26登録) 妻を失った夫、四人。 おっと、五人。 うち一人はミステリ作家。 ミステリ作家は他にも二人。 夫を失った妻、一人。 命の危険を冒して探偵役をやりたがる奴、次から次へとあふれ出る。 そこで、前述の死人数にも常にアップデートが必要な、まっこと葬儀屋さんも書き入れ時の(いくらミステリとは言え)とんだ非常事態となるわけだ。 「私はただ、単純な引き算の結果を言ってみただけですよ」 ストーリーを数行に纏めるのはとても無理な話だが、とにかく前述の通り死人が続出する。 但し、うち少なくとも三人は飛行機事故死。 エピローグでも曰くありげに描かれるこの墜落事故をまたぎ、連続殺人事件が発生する。 表題にある ‘十和田湖’ への仲間たちの旅行が、その背景にはある。 中町信力あふれる肉厚のダブル・エピローグからいきなり猛攻開始。 強引なツカミの強烈さは、知的興味を惹く整理された複雑性としっかり連れ立っている。 荒れ狂う違和感、不安定感と叙述ギミック。 中町信ならではの、どこかデコボコ・グラグラ・素っ気なさの残る文章はもちろんサスペンス、というよりスリルの味方だ。 「相手は推理作家だからねえ」 混乱と定まらない憶測を抱えたまま、薄明かりの前方へと押し出される感覚。 “記憶喪失” なる事象の切り込んで来た角度が凄い。 グッジョブマイフレンドしか言いようがない。 込み入った “盗作” 事情が放つ閃光。 “身体的特徴” が放つ閃光。 手紙の “宛先” と “盗難” と “◯◯(← これ!!)” の機微。 それらの間を雲のように漂う誤解や憶測の連なり。 最後は◯◯◯なる決定打! やられました。 「その裸の女の体には大きな特徴があったはずなのです。 目には見えない、大きな特徴がです」 しかしまあ、よく人が死ぬことだ。 それも白昼堂々オープンサークル内でのあわや “そして誰もいなくなった” を危惧させる趣向の暴風が、リアリティ欠損ギリギリの座標で荒れ狂っている。 難解な数式のように、理解はしづらくとも何かしら整理されているような美的感覚を受ける構造のストーリーだ。 見せ方の上手い、必然性があって自然と導かれて行く “多重解決” 趣向も光る。 最後に或る意外な人物が意外な存在感とミステリ上の働きを見せつけるが、その在り方の何とトリッキーなこと! 一瞬の快い混乱は大歓迎である。 「同じようなこと? なにをしていたんですか?」 ギラギラした叙述ギミックの嵐が、ささやかな叙述トリックの葦を薙ぎ倒した形かと思うが、葦にも強い毒素が残留していた。 あれこれミステリを詰め込んで、やり過ぎ海峡をわざわざホバークラフトで渡っちゃった感はあるが、それの何が悪い。 空虚な幻ならではの栄養をたっぷり摂取させていただきました。 |
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| No.5 | 6点 | まさむね | |
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(2025/03/27 21:56登録) 複雑な構成で、多少前に戻って人物関係や当該人物の行動を確認したりといったこともございました(この点は人物の書き分け等の工夫で防げたような気も…)が、内容としては水準以上に楽しめました。終盤の伏線回収は鮮やかでしたし、ラストの締めも作者らしくて好きです。 告発しようとすると殺害されるパターンが続出することは、まぁ、展開上やむを得ないことは分かりつつも、なぜ皆さま(例えば「明日話す」とか言って)留保しようとするのか、死亡フラグが立ち過ぎる点については、ちょっともどかしさもありました。ちなみに、舞台が「十和田湖」である意義はほぼありません(笑)。 |
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| No.4 | 5点 | ことは | |
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(2024/11/04 23:56登録) 1章では、事件の関係者が、まるで刑事の報告のように、事件の経緯を別の関係者に述べたりして、いろいろ違和感があった。2章からは、警察とのやりとりが主体になるので違和感はなくなるが、この辺が中町信の小説がうまくないところだと思う。 また、2章以降も、事件を起こし過ぎて構成が複雑になり過ぎていて、事件の全体像がなかなか整理できない。キャラクターの立ち方もいまひとつなので、誰が誰だかすっと入らないせいもある。この辺も、すこし演出を失敗しているように感じた。 ただ、解決で、ある人物のある属性を指摘し、いくつも伏線を拾い上げていくところはよかった。これはよく考えられている。 あと、作品とは別の話だが、「トクマの特選!」の装丁では、いつも表紙と同じ絵が口絵にあるのだが(通常同じだよね?)、本作は表紙と口絵で、女性の口元が違う。なにか意図があったのかな? それと、「トクマの特選!」の帯も手許にあるのだが、そこで予告されている3作目「炎上/榛名湖に沈めた過去」(榛名湖殺人事件のことだろう)は、結局、「トクマの特選!」が止まってしまったので、出されずに終わってしまった。装丁も含めて好きなシリーズだったので残念だ。 |
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| No.3 | 6点 | ボナンザ | |
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(2016/02/02 23:36登録) ここでも叙述トリック自体はアクセントのようなものだが、メインの構成がうまいため、中町作品の中では良作の部類に入るだろう。 |
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| No.2 | 6点 | kanamori | |
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(2012/04/17 18:41登録) 「~湖」シリーズの2作目。 定番の意味深なプロローグから始まり、十和田湖畔の不審死、”犯人”が乗る旅客機の墜落事故、推理小説の盗作疑惑などが絡むかなり複雑で錯綜したプロットです。 真相を知る人物が告発寸前に次々殺されていく展開は、もはやお約束の様なものですが、〇〇を誤認させるテクニックが「田沢湖」同様に巧妙で、最後まで犯人を絞り込めなかった。 医療関係の出版社勤務という作者の職歴から仕入れたと思われるメインのアイデアは特殊知識ものですが、伏線が丁寧に張られているのでアンフェアという感じは受けない。 |
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| No.1 | 7点 | isurrender | |
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(2009/08/28 18:03登録) 作品のまるでトラベルミステリのようなタイトルから考えれば、予想以上の内容 プロットとしてもよい作品だと思う |
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