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ミステリの祭典

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嘘でもいいから誘拐事件
嘘でもいいからシリーズ?

作家 島田荘司
出版日1988年11月
平均点4.60点
書評数5人

No.5 5点 まさむね
(2024/05/09 23:04登録)
 島荘には珍しい、コメディ・タッチの中編2本。会話部分が多いこともあって、あっという間に読了できます。
 作者があとがきで「もしかするとこのシリーズは、僕にとって、最も一人よがりでない、最も肩の力の抜けた、最も読者本位の、正しいミステリーなのかもしれない」と語っているとおり、決して肩肘張らず、楽しんで書いている様が伺えます。この点ではなかなか興味深かったですね。
 内容はというと…、ゴンドラからの人間消失であるとか、謎自体は作者らしいと言えるのかもしれませんが、まぁ、大きな期待はしない方がいいかも。島荘のユーモアを気楽に楽しもうということで。

No.4 6点 バード
(2020/12/02 06:35登録)
島荘小説の中ではお笑い路線な本書。
基本的には面白かったが、本当は真面目な人が頑張って悪ふざけしているかのようなぎこちなさも感じた。それでつまらなくはなかったので、別に良いのだけど。
ただ、本書はあくまで息抜き作であって島田さんはやはりシリアスな本格あってこそと改めて認識。恐らく、ユーモア方面で売り出していたら、今のような売れっ子作家にはならなかったんじゃないかな。

<個別の書評>
・表題作(7点)
メインの仕掛けは実現性や分かりやすさの点から、短編での仕掛けとしていい塩梅。メインの謎が早めに提示されるので、ストレス無しにサクサク読める良短編。(後半の展開(鬼=○○)は予想通りだったが。)

・嘘でもいいから温泉ツアー(5点)
悪ノリ度は表題作よりも高いが、肝心のストーリーが微妙。
ぐだぐだな温泉の撮影描写やら、終盤で唐突に警官の婆さんが登場するやら、全体の流れがちぐはぐすぎる。それこそ、三太郎作の台本みたいだった。(寧ろこれは狙い通り?)
一方、三太郎への報復計画が語られるオチは好き。そりゃあれだけやりたい放題やってるキャラは多少痛い目にあってもらわないとね。

No.3 2点 E-BANKER
(2014/04/27 20:55登録)
「嘘でもいいから殺人事件」に続き、隈能美堂巧(タック)・軽石三太郎らを主人公としたシリーズ第二弾。
島田作品とは思えないほどの軽さとギャグ・・・がウリのシリーズだが、本作は中編二作で構成。

①「嘘でもいいから誘拐事件」=胡散臭いロケで訪れた東北地方の山奥。ナレーションを担当する女性タレントがロープウェイという動く密室から忽然と姿を消した・・・って書くと、やっぱり島荘らしい大掛かりな物理トリックか?と思わせるのだが、本シリーズにそれを期待してはいけない。実に子供だましのようなトリックでしかないのだ。こんなショボイトリックにはそうそうお目にかかれない。
②「嘘でもいいから温泉ツアー」=今度の舞台は信州の山奥。またもや軽石の無茶ブリで胡散臭い温泉紹介を行うことになったロケ班が遭遇する怪事件なのだが・・・今回は謎自体がかなりショボイ。当然ながらトリックもプロットもショボイという結果になる。

以上2編。
これは読んではいけない。
特に島荘ファンであればあるほど読むべきではない。
両作ともよっぽど追い込まれて、やむにやまれず書いたのではないかとしか考えようがない。

まだ前作(「嘘でもいいから殺人事件」)には作者らしさが垣間見えていたのだが、本作ではそれが全くなくなっている。
まぁ、この頃はまだまだ出版社側の要請にどうしても応えなくてはいけなかったのだろうなぁ・・・
全然煮詰まっていないのに、締切が近づいて、「もう!えいやっ!」って感じで発表しちゃった・・・って感じかも。

ということで、評価は個人的な最低レベルとせざるを得ない。
怖いものみたさという方ならどうぞ。
(さすがにこれでは続編は出ないよなぁ・・・)

No.2 6点 E
(2009/10/02 20:49登録)
「嘘でもいいから」シリーズ第二弾。
相変わらず、馬鹿らしい・強引な展開ストーリーでした。
雰囲気や登場人物は前作と全く同じですね。
笑わせて頂きました。
島田氏らしくないけれど、可笑しくて自分としては好きなシリーズッす!

No.1 4点 vivi
(2009/04/07 02:47登録)
島田氏のユーモアミステリということですけど、
ユーモア系に必要なキャラの魅力がイマイチな気がしました。
事件そのものや、展開にも無理がありますし、
期待して読むほどのものではないかな~という感じです。

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