少女ノイズ |
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作家 | 三雲岳斗 |
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出版日 | 2007年12月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 5人 |
No.5 | 6点 | 人並由真 | |
(2019/06/15 20:14登録) (ネタバレなし) 読む前はなんとなく長編作品かと思っていたが、実際には全5本の連作ミステリだったんだな。 第1話が王道ながら魅力的な謎の提示の割に真相が弱い(そういう誤認って、生じうるだろうか? 少なくとも謎解きミステリの文法のなかでやるべき説明ではないと思う)とか、第5話の謎解きは相応に特殊知識によっている……などの摩擦感はあるものの、平均的に良く出来た謎解きミステリセンスの高い一冊という印象は受けた。 特に第2~4話は、それぞれどっかしら初期の連城作品っぽい、捻った着想の妙を楽しめた。 ただまあ正直、連作全体の構造として、いびつなラブストーリーに仕立てなくても良かった気がする。最後はキレイにまとめてあるけれど、なんか全体的に本作のミステリとしての賞味部分と主人公コンビの恋愛部分とは、一定した距離の乖離感がつきまとった。 ヒロインが探偵役として最初から最後まで駆け抜けることにオルツィの『レディ・モリー』みたいなラブストーリーとしての意味性があればいいんだけれど(最終話だけはまあ、その意に沿っているとはいえるのだが)。 山田彩人の『少女は黄昏に住む』の主人公コンビの描写なんかに比べると、正に真逆の位相だよね。 ミステリとしては期待以上に面白かったが、その辺でちょっと減点してこの評点。 |
No.4 | 7点 | メルカトル | |
(2018/04/15 22:33登録) このタイトルとあの表紙、当然爽やかな青春ミステリを想像していましたが、相当認識が甘かったです。ゴリゴリの本格ミステリとは言いませんが、かなりの本格派だと思います。しかも、様々なタイプの短編を用意して読者を楽しませてくれます。僭越ながら解説で有川浩氏が書かれているような、「ミステリにかこつけて二人の恋を書きたかった」という意見には賛同できません。どちらかと言えば、恋愛控えめの本格ミステリだと私は思いますね。 確かに、淡い恋心が垣間見えるシーンも時折ありますが、ミステリファンにとってそれは二の次でしょう。全ての作品に魅力的な謎があり、それを論理的或いは合理的に解決に結びつけている手腕は確かなものがあります。伏線も全くないわけではなく、唐突に探偵役の少女斎宮瞑が謎解きを始めて読者を置き去りにすることはありません。もうそれだけで私は満足です、他には何も望みません。最後の『静かな密室』だけは何それ?となりましたが、それもまあ私の見識が足りなかったとも言えるので、作者には何の咎もありません。 ラストシーンはとても良いです。美しく、情景が浮かんできます。瞑の初めてのはっきりした意思表示に心奪われます。装画がこれしかないという本当の意味を、ここでようやく知ることができます。 |
No.3 | 7点 | 虫暮部 | |
(2017/11/28 13:56登録) 色々とあざといなぁ、と思ったけれど、そういう事柄は有効性が高いから多用された結果としてあざといものに成り下がってしまうのである。キャラクターものとして読むなら悪くない。出番は少ないけど皆瀬准教授が好き。 ミステリ的にはいまひとつで納得し切れない部分がある(事後従犯に何故その人物を選んだのか?自販機の罠は目的にそぐわないのでは?)。 |
No.2 | 4点 | yoshi | |
(2016/08/24 03:40登録) 某所で本格ミステリーとして紹介されていたので読んだのだが、これは本格ではないですね。 ほとんど推理の材料がない段階で少女だけは事の真相に気付いており、 どうやって気付いたのかの説明は一切ないですから。 元ラノベの人ですからキャラには力が入っていますが、 もの凄く頭のいい不思議系少女という造形には些か食傷気味で・・・。 (この先ネタバレ) 一作目はもう少し何とかならなかったのですかね。 魅力的な謎を提示しておいて、真相が単なる子供の思い違いというのはあんまりです。 この一作目が全体の平均点を下げている気がします。 |
No.1 | 6点 | シレン | |
(2011/12/18 18:22登録) 短編集で、一つ一つけっこう良いミステリーになっていますが他の方のコメント通り、設定が重いというか、暗い感じです。 キャラクター設定が丁寧、とも言えるんでしょうが… |