home

ミステリの祭典

login
蝶たちは今…

作家 日下圭介
出版日1975年01月
平均点5.00点
書評数3人

No.3 6点 ◇・・
(2024/06/05 20:29登録)
第二十一回江戸川乱歩賞受賞作。
康雄は、急病で行けなくなった恋人和子の代わりに友人の拓也を誘って、飛騨路の旅に出た。途中のバスの中でバッグを取り違えてしまったことから、奇妙な事件に巻き込まれる。
バッグには、三年前に心中した娘から十七年前に事故死した男に宛てた一通の手紙が入っていた。過去の二つの事件を結び付ける鍵は果たしてどこに隠れているのか。
魅力的な謎の設定と起伏に富んだストーリー展開に加えて、歯切れのいい会話と文章に魅了された。

No.2 3点 TON2
(2012/12/11 21:03登録)
講談社文庫「江戸川乱歩賞全集10」
 昭和50年乱歩賞受賞作。
 旅行先で間違えたバッグの中から出てきた手紙の受取人は3年前に死んでいた。
 蝶の移動距離が殺人の謎を解くカギとなるのですが、あまり面白いとは思わなかったです。

No.1 6点 kanamori
(2010/10/01 18:41登録)
主人公の大学生が旅先の宿でボストンバックをすり替えられる。その中に入っていた手紙の謎を発端とするサスペンス・ミステリで、乱歩賞受賞作です。
手紙の差出人も宛名の人物も既に死んでいたという、”死者から死者への手紙”という謎はなかなか魅力的です。中盤の平板な展開と、真相が何となく察せられる技巧の拙さがありますが、フランス・ミステリを思わせる幻惑的な雰囲気は好みです。

3レコード表示中です 書評