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ミステリの祭典

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柔らかな頬

作家 桐野夏生
出版日1999年04月
平均点6.14点
書評数7人

No.7 7点 HORNET
(2025/03/22 23:14登録)
 見えない物語の行く先、登場人物の特異な人生観を描き出す心理描写で、やはり読ませる作家である。
 作者の作品は、得てしてそういった、厭世的ともいえる人生観をもった女性を主人公に据えるものが多いが、本作もその例に漏れない、いかにも作者らしい一作である。
 不倫相手の男性の別荘に滞在中、5歳の長女が行方不明になってしまったカスミは、その娘を探すことが存在意義になる。時とともに周囲の関心が薄れていく中、それとの温度差に感情的になる姿はある意味普通の反応だが、そこからの行動は一般的な感覚からはかけ離れているように感じる。が、ひょっとすると常識に封じ込められた、人本来の深層心理を描いているのかもしれない、とも思え、そういったところが桐野作品の魅力である。

<ネタバレ>
 うすうす感づいてはいたが、やはり後を引く結末であり、一定の解決を期待していた読者にとっては消化不良かもしれない。しかしこれもやっぱり作者らしい、桐野夏生の王道といった感の一作である。

No.6 7点 TON2
(2012/11/05 20:22登録)
直木賞受賞作。
いなくなった子どもの行方を探し求める母親。乾いた心は、やはりハードボイルドです。

No.5 8点 マイル0327
(2008/04/08 12:39登録)
ラストに不満のある人も多いだろうが、個人的にはこれで満足。

No.4 8点 itokin
(2008/01/06 14:01登録)
話の展開に少し無理があるようにも思えるが面白かった。終わり方も余韻が残ってこれでよい。桐野作品は「OUT」と並んで好きだ。

No.3 3点 VOLKS
(2007/07/03 00:34登録)
登場人物に魅力を感じなかったので、作品に対して今ひとつのめり込むことが出来なかった。どうしてこれだけの内容で、上・下巻にまでなったのかが解らない。結末もすっきりしないので、読後感が悪い。

No.2 5点 884
(2005/04/23 19:21登録)
『顔に降りかかる雨』と同じ印象を受けました。
 

No.1 5点 SD
(2004/08/20 00:13登録)
いわくありげな人物が多く出てくるが全体として纏まりが無いため消化不良に終わった。

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