| 天河伝説殺人事件 浅見光彦 |
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| 作家 | 内田康夫 |
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| 出版日 | 1988年04月 |
| 平均点 | 4.67点 |
| 書評数 | 6人 |
| No.6 | 5点 | クリスティ再読 | |
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(2026/03/11 22:11登録) 何となく角川映画やってる(苦笑)。 そりゃ日本で生きてれば、浅見光彦シリーズを全然読んだこともない、とはいかないよ。新聞連載だって読んでたりするからね。でも本作については映画も本も初見。一番知名度がある作品。能楽の家元の継承問題と天河辨財天が舞台。角川春樹自身、天河辨財天の信仰が篤かったという話がなかったっけ。 原作はシリーズ23作目だそうで、117冊もあるシリーズ総数から見れば初期?となるわけだけど、映画は最初の事件扱い。原作だと登場人物から「名探偵!」とヨイショされるわけだけども、 「名探偵だなんて...僕は軟弱なノンポリの落ちこぼれ人間でしかありませんよ」 といたって謙遜というか自信なさげ。こういうあたりのキャラ造形が一般人気の秘訣なんだとも思うよ。ミステリマニアしてると忘れがちだが、世間一般では「アタマいい系キャラ」ってあまり好かれないんだよ(苦笑) で、本作も長いけど、かなり内容は冗漫で、いろいろと浅見がああ思ったこう思ったと事件外の世相について感想めいたことを書いている。だから、緩い。 映画では殺人の時系列が大きく変更されている。原作では序盤で起きる、「道成寺」上演中の能舞台で鐘の中で早変わりした家元後継者が毒殺される話が、中盤に移動し経緯がかなり変更、吉野山中で殺される人物も原作と映画で違う。そして映画のクライマックスでは天河辨財天での薪能だが、原作では天川村だけども薪能ではなく、薪能は過去のいきさつで重要な役割があったりする。 真相の基本構造は映画でも維持されているけども、それでも辻褄が合ってしまう。こういう「緩さ」がこのシリーズの特徴なんだと思うよ。犯人決めずに書き始めてると言われたとしても、信じちゃうくらい。 ちなみに映画は駄作。もう少し観世栄夫が指導した演能シーンを見たいなあと思けどもねえ。なぜか真横から当てる照明が位置関係で辻褄が合ってなくてシラケた。ネタとしてはけして悪くないのに、凡作感が強いのは市川崑の技量が随分落ちているせいだと思うよ。金田一シリーズの「夢をもう一度」で角川春樹が大乗り気で始めた作品だけど、角川春樹自身がコカイン事件で角川書店から追われて、角川映画でのシリーズ化話は消滅。年老いた加藤武が「わかった!」とやるのが何か気の毒。 |
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| No.5 | 4点 | たかだい | |
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(2025/01/20 18:39登録) 旅情ミステリーの大家として知ってはいても作品は未読でしたので、軽く調べて氏の代表作に数えられる本作をチョイスしてみました 内容としては、古典芸能の「能」がテーマとなっており、能の宗家にまつわる不審死、更に東京で起こった毒殺事件の謎に、浅見光彦が巻き込まれていく話 とりあえず、(先入観もあるかも知れませんが)2時間サスペンス的なストーリーだなと思いつつ、幾つもの謎が少しずつ順当に分かってくる流れは丁寧で安定感があったように思います 相応に重めな話を綺麗に纏めている印象がある反面、飛び抜けた所が見当たらない作品でもあったと感じます また、十津川警部並みに知名度はあると思われる本作の探偵「浅見光彦」ですが、少なくとも本作を読んだ限り、キャラクターとしてパッとしないのも難点かと…。本人曰く「落ちこぼれ」でダメ人間らしいですが、あまりそういった感はない為、例えば普段と調査の過程でギャップが生じるような魅力もなく、「普通に優秀な人じゃね?」という面白みの薄いキャラになってしまっていたように思います |
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| No.4 | 3点 | 谷山 | |
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(2014/09/15 22:25登録) 恐らく内田作品では一番メジャーな作品なのでしょう。映画にもなりましたし。 それで当時かなり期待して読んだのですが、能に全く興味が無いからか、面白さがよく分からないまま読み終えることになりました。 後年映画も見ましたが、どうも劣化金田一耕介ものみたいな雰囲気でやはりあまり面白いと思えず。 |
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| No.3 | 5点 | TON2 | |
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(2013/02/12 18:32登録) 角川文庫 映画にもなったので、浅見光彦シリーズでは最も有名な作品でしょう。能の宗家と天河神社という取り合わせが、興味をそそりました。 |
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| No.2 | 4点 | E-BANKER | |
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(2010/01/03 21:17登録) 浅見光彦シリーズの1作。 映画化もされた作品なので、氏の作品群の中でも名の知られた一作かもしれません。 展開はいつもの浅見シリーズを踏襲しており、「能」宗家にまつわる殺人事件の謎を追って「天河」の地へ・・・といった具合。 ちなみに「天河」とは奈良県の吉野にあるそうです。 普段のシリーズ作よりは若干なりとも「重厚さ」があり、後年の「文芸シリーズ」に通じる部分が感じられます。 しかし、毎回思いますが、「浅見」のキャラは何とかなりませんかねぇ・・・男性の読者にとっては、全く感情移入できないような設定だと思うんですけど。 |
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| No.1 | 7点 | 薬 | |
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(2008/12/27 20:42登録) 多少「?」な部分もあり、ミステリ要素の精密さは少々荒いものですが、「五十鈴」「雨降らしの面」といった小道具の楽しさや、浅見光彦の落ち着いたキャラクター性も良く、ミステリの弱さは何とかなっていたと感じる。 本作のメイン、天河神社は実家に近いもんで、一回見に行きたくなった。 |
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