傾いたローソク ペリイ・メイスン |
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作家 | E・S・ガードナー |
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出版日 | 1959年01月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 5人 |
No.5 | 6点 | 弾十六 | |
(2019/08/15 20:00登録) ペリーファン評価★★★★☆ ペリー メイスン第24話。1944年5月出版。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。) ジャクスンが久しぶりに登場、やせていて少し猫背、鼻は長く薄い唇(眼鏡かけてないのかな)冒頭と最後の方で活躍。メイスンの行きつけは九番街のレストラン、店主はピエール54歳。事件はアストラカン羊の交通事故から始まり、深夜のヨットでの冒険で終わります。Lieutenantトラッグは今回も抜け目ない行動でメイスンやデラと丁々発止。メイスンが無難なのに比べ、依頼人父娘の行動はメイスン顔負けです。タクシー不足による相乗り、このごろはガソリンが買えない、弟が酪農業なのでバターがたっぷり手に入る、などは戦時中の制限を意味しているのでしょう。法廷シーンは予審裁判で、判事の応援もあり、バーガーが悔しい結果を迎えます。次の事件の予告が久しぶりに復活、目にアザをこしらえたブロンドが次の依頼人です。 (2017年3月21日記載) |
No.4 | 5点 | 斎藤警部 | |
(2017/11/04 19:42登録) 仄かな社会派要素を匂わす”言えない事情”の中にアリバイ乃至逆アリバイ(とは違うか?)の興味が芬々。会話の粋もジャスト・イット。メイスンとデラの関係がS&Mっぽくなるシーンもあったりして(←誤解を招く書き方ですが)。犯行現場と目されるボート内の細やかな物証捌きは宇宙(の一画)規模のダイナミズムがバックボーンとなり(何しろ地球と月が相手だ)、裁判所と犯行現場を股にかけ実にプラグマティックなロジックと直感のマリアージュ劇を見せてくれるわけですが。。。。 時折トライしてみるペリー・メイスン、やっと、初めて、出だしから興味深く中盤を面白く読み進める事が出来ました。結末の真相暴露だけ、微妙に期待ほど踏み込み深くなく、ちょぃとササッと通り過ぎて行きました。いっそクイーンばりに一本の”傾いたローソク”から超絶論理演算をスルスルと紡ぎ出してくれて構わなかったのに。。ともあれ、個人的に初めてのメイスン(というかガードナー)合格点(5.0点超え、5.3程度)です。まだほんの数作しか手を付けてませんけどね。 |
No.3 | 6点 | ボナンザ | |
(2015/01/29 18:02登録) メイスンの性格にイラッとすることも有りますが、本筋は中々論理的で楽しめる良作だと思います。 |
No.2 | 6点 | kanamori | |
(2011/02/06 23:52登録) 交通事故の示談から土地売買契約に関わるトラブルと繋がり、今回は民事裁判か?と思わせる序盤の展開でしたが、停泊中のヨット船内の殺人という本筋になってからは結構本格編でした。 傾いたローソク、潮の干満、昇降口の足跡などのデータに基づくペリイ・メイスンの繰り出すロジックは、理屈っぽいですが、発想の転換が面白く、よく考えられているように思います。 |
No.1 | 7点 | nukkam | |
(2009/01/26 11:35登録) (ネタバレなしです) 1944年発表のペリー・メイスンシリーズ第24作で本格派推理小説としてのプロットがしっかりしています。細部を丁寧に検証しているため、ややもすると退屈になり気味ですが現場見取り図を使って謎のポイントをわかりやすくしたのがいい工夫です。ちょっとした着眼点の違いでどんでん返しを演出しているのが非常に巧妙で、私も検事と一緒に「しまった」と内心で舌を巻きました。なお本書の最後はシリーズ次作の「殴られたブロンド」(1944年)へとつながる締め括りとなっています。 |