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ミステリの祭典

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リロ・グラ・シスタ

作家 詠坂雄二
出版日2007年08月
平均点4.86点
書評数7人

No.7 6点 レッドキング
(2018/06/03 16:26登録)
嫌いじゃないぞ 二読しちまった

No.6 3点 風桜青紫
(2016/07/10 23:06登録)
作者なりの工夫は伝わったが、どれもこれも空回りして単なるパクリ詰め合わせに終わってしまった印象。なにか面白い作品を書いてくれるかもしれないと思わせる作者ではあるけども、この作品については失敗作だろう。文章についてはもっと酷いのをメフィストで見てきたので大して気になはらなかった。

No.5 5点 アイス・コーヒー
(2014/07/21 15:28登録)
独特の文体と本格ミステリ的な趣向が特徴の詠坂雄二のデビュー作。一人称ハードボイルドの高校生が、「名探偵」として学校で起きた殺人事件の捜査をする異色の一冊だ。
トリックは使い古されたもので、核となる「あるテクニック」も前例があるものだ。ある程度読み慣れた読者にとっては、あまり意外性はないだろう。しかし、その組み合わせの巧みさやストーリーの独創性は十分評価に値する。
何より一見乱雑に見えるトリックがそれぞれ連動しているところが凄い。本作ではあまり美しく作動していないが、今後進化する可能性は大いにあるだろう。
残念なことに、真相が分かった後になっても物語の歪さは残る。ハードボイルド調の文体が目障りでもあるし、あまりにも非現実的で著者の云わんとするところがよく分からない。これが致命的な欠陥となっている。
詠坂氏の作品が気になったので、文庫化された他の作品も読みたいと思った。
(ふと気になって買ってみた本書だが、丁度ここ最近連日感想が書かれているので驚いた)

No.4 4点 名探偵ジャパン
(2014/07/20 21:34登録)
有栖川推薦、という触れ文句で購入した。
例のトリックものであった。これが使われた小説を読むのは、私がここ最近読んだ小説7作中これで3作目である。いくら何でも頻度が高すぎないだろうか? 手軽に読者に驚きを与えられる方法ではあるし、流行りがあるから仕方ないのだろうか。それとももうミステリは、(読み手がスレたこともあって)こういった手法でなければ読者を驚かせることはできなくなったのか。そもそも、読者を驚かせるだけがミステリではないと思うのだが。

本作については、まず他の方々もご指摘の通り、非常に読みにくい文体に、まず戸惑った。(お前本当に高校生かよ、と突っ込みも。作者は大人かもしれないが、一人称で語る作中人物が何者であるかを考慮してほしい)事件自体も「早く真相を知りたい」と思わせる引力に欠け、惰性で読み進めたようなところがあった。(それ故に最後のあれが必要だったのかもしれないが)
しかしながら、最近の書き手としては、SF、ファンタジー、ホラー的世界を使わない、リアル派路線の作風らしいので、今後に期待したい。

No.3 4点 メルカトル
(2014/01/16 22:23登録)
外連味たっぷりで、文法的にやや疑問の残る、そしてどう考えても日常的に使わないだろうと突っ込みたくなるセリフ。迂遠で、圧倒的に説明不足な地の文。それらが終始繰り返されるので、これは私でなくても途中で放り投げたくなるというものだろう。
読者に迎合しろとは言わないが、売れたければせめて作家たる者、読み手のことも考えて執筆作業に従事していただきたいものである。そんな読者の事情を無視した書きっぷりが、せっかくの素材を台無しにしている気がする。
おそらく、作者がこれは最後まで気付かないだろうとほくそえみながら企んだ大胆な仕掛けは、1ページ目で既にミエミエだった。凡人の私でも気づいたのだから、ある程度ミステリを読んでいる人間ならば速攻で見抜かれてしまっただろう。言葉で表すなら「何を今更」ってことですかね。
メイントリックもなんだか既視感がありパッとしないし、解決編も有耶無耶に終わってしまった感じで、カタルシスの欠片もなかった。大体、自称なのか他称なのか知らないが、名探偵と言われているわりには、この主人公は大した活躍をしていない。そんな不満だらけの酷評は、期待の大きさの裏返しでもある。不本意ながら読むだけ時間の無駄だったと思う。

No.2 7点 ayulifeman
(2012/07/16 00:27登録)
ニヒルなせりふ回しの高校生にうんざりで、こりゃ途中で読むのやめちゃうパターンかもと思ってましたが、最後にドカンとやられました。
確かにオチは既視感はあるが、それは結果であって、読んでいるときは「ドカン」以外のトリックやひっかけにうまく埋没させている。やられちゃいました。
全部読んだ後、結局うんざりのせりふ読み返しちゃいましたね。

No.1 5点 kanamori
(2010/08/24 18:50登録)
個人的に注目している作家ですが、デビュー作の本書は、色々と大掛かりなトリックを詰め込み過ぎの感じで、またアイデアは非常に面白いものの、いずれも前例があるものなので、手放しでは楽しめませんでした。
学園ものの本格ミステリながら、一人称ハードボイルドという特異なスタイルは、ある構図をミスリードするためとはいえ、どうもすっきりしません。また、各章毎に色つきのページを配する装丁には退いてしまいます。

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