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ミステリの祭典

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冬のスフィンクス

作家 飛鳥部勝則
出版日2001年08月
平均点5.00点
書評数6人

No.6 7点 メルカトル
(2023/12/02 22:27登録)
眠りに就く前に絵画を見ると、その中の世界に入り込める男が、夢の中で遭遇した連続殺人の顛末は。これは夢か現か――幾重もの〈夢〉と〈探偵小説〉とがせめぎ合い、読者を幻惑する異端の書。鮎川賞作家の書き下ろし。
Amazon内容紹介より。

私は本作を幻想ミステリとは捉えておらず、「まとも」な本格ミステリだと思っています。それは著者が所詮ミステリとは飽くまでフィクションであり作り物だし、全ての鍵はその作者が握っているというスタンスを、ここでは取っていると思うからです。結局、夢も現実も同じ事で、書かれてしまえばどこまでも小説なのです。
とは言え、この物語に関しては、例えば竹本健治の『匣の中の失楽』の様な酩酊感は存在しません。夢と現実が交錯するのは確かですが、どちらも足が地に付いているので、浮遊する様な感覚はありません。

そんな中で亜久直人の扱いが気の毒に思います。折角の探偵役が犯罪を際立たせる存在として機能しているに過ぎないのは、何とも惜しまれます。探偵さえも絶対ではないとする飛鳥部の異端的な思考が、アリかナシか、難しいところですね。それは夢の中だから良いんじゃないのかと断定してしまえば、先に述べた私の意見は却下されることになりますが。

それはそうと、飛鳥部勝則は今のところ私にとってハズレがありません。長編を全制覇したいと考えています。なかなか入手し難い作品が多いですが、何とかしたいですね。ハマっていますので、いつかプロフィールの好きな作家欄に名を連ねられると良いなと思っています。

No.5 7点 虫暮部
(2022/01/07 11:24登録)
 夢か現か。“犯人は一人” である根拠が読者への挑戦状だけ(だよね?)だったり、それなりに設定を有効活用している。“あんた、いったい誰なんだ?”と、世界が揺らぐ。
 挑発的な枠組みは好きなんだけど、ぶっちゃけ事件が地味。あと一歩、何か欲しかったなぁ。
 ところで『方舟』は、解説抜きでも面白い絵だと思う。

No.4 3点 レッドキング
(2018/07/14 14:58登録)
夢の中でおこる「連続殺人」。現実と夢が錯綜して、「ミステリについて」の幻想小説が展開し「ドグラ・マグラ」して終わる。それはそれで面白いが、その中で純粋なミステリの部分を抽出して評価するとこの点数。

No.3 4点 いけお
(2009/02/10 23:35登録)
解釈の仕方が難しい。

No.2 5点 shinano
(2007/05/27 17:12登録)
好きなテーマ
これは夢なのか、現実なのか
そんなはざまで生きる主人公
でも人物描写が弱いからやっぱパンチがないんだよね

No.1 4点 しゃん
(2002/06/21 17:50登録)
幻想的だけど…幻想的だけど、素直にそこに入り込めない…
幻想的過ぎるからだろうか?

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