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ミステリの祭典

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激走 福岡国際マラソン 42.195キロの謎
改題『激走』

作家 鳥飼否宇
出版日2005年11月
平均点6.00点
書評数6人

No.6 4点 いいちこ
(2023/10/23 15:28登録)
最終盤に明かされた真相は、一定のサプライズを演出しているし、細部に至るまでよく練られている。
ただ、いかにも小品という印象は否めないし、完成度の点で問題があり、物語に文字どおり挿入されたというべきアクシデントには強い違和感・異物感が残る。
各所で好意的に評価されている作品であり、批判的な立場に立つつもりもないのだが、4点の下位

No.5 6点 パメル
(2023/08/26 06:36登録)
北京オリンピック代表の選考をも兼ねた福岡国際マラソン。このレースに挑むのは、オリンピックを目指す選手だけではなく、再起を図る者や自身の存在を世の中にアピールしようと目論む者まで有力選手、一般参加者など、それぞれの思惑を胸に秘め、スタートのピストルが鳴り響く。そして中盤で思わぬアクシデントが。
作者の作風は、奇想の炸裂したバカミスを得意としているイメージを持っている人が多いと思うが、その点では裏切られると思う。ただ、普通のミステリで終わるわけでもなく、実はそれが煙幕となっており、最初に想像するパターンであらかじめ感づかせておいて、それを上回るという離れ業をやっており油断ならない。
ゴールを目指し、42.195キロを走る間に選手の回想や、それぞれの思惑が交錯して、いろいろなドラマが展開する。レース中の心理が克明に描かれ、伏線などの細部はよく考えられている。全てを読み終わった時、如何に自分が見ていたものが間違っていたかを思い知らされることになる。その反転具合はなかなかのもので清々しいい読後感。
本書は作者の真っ当な路線の代表作になりうる作品。スポーツミステリ自体、現時点ではあまりにも少ない。特にマラソンミステリとなるとかなり限定されてくる。今後、マラソンミステリを含め多くのスポーツミステリが出てくることを期待したい。

No.4 6点 take5
(2018/10/07 09:53登録)
深みにたどり着く必要のない
スポーツミステリーですが、
最後に気持ちよく終わるし
詠む甲斐ありました。
サクッと二時間程度で楽しめました。
少しだけ叙述トリックです。

No.3 8点 パンやん
(2016/04/04 18:13登録)
ミステリーとしてはちょいと弱いが、純スポーツ作品として、マラソンドキュメントとしては大満足。文庫本での瀬古選手の面白解説付き評価と思われよ。ランナーひとり、ひとりの思いのたけ、駆け引きの妙など、マラソン実況が見たくなりますぞ。

No.2 6点 Q-1
(2011/01/07 19:41登録)
ランナー各々の過去や思惑が交錯しあう樣は面白かったのですが、
一部内容が読者の語弊を生むような内容だったの残念です。
フィクションなので割りきって読むのがマナーだし、
この本のトリックを成立させるには必要なことなのでしょうが、、、

No.1 6点 江守森江
(2009/05/22 07:00登録)
単なるマラソン小説だと(アスリート小説として面白いのと、途中のチープな殺人事件にミス・リードされ)思いながら読み進めたら結末は叙述ミステリだった。
テレビのマラソン中継が好きならお勧め。
※追記的余談
この作品の叙述ミステリネタが競技を変えてバンクーバー冬季五輪で実現する事に一番の驚きを覚える。
世界最高記録が出るだろうか!
※追記
「福岡国際~」のサブタイトルを排した文庫版が出版された。

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