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ミステリの祭典

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黒い塔の恐怖
カー短編全集5

作家 ジョン・ディクスン・カー
出版日1983年04月
平均点5.00点
書評数5人

No.5 6点 レッドキング
(2022/04/25 12:40登録)
ジョン・ディクスン・カー第五短編集 原書は「幽霊射手」と併せて一巻の後半。作品はラジオドラマ2作に短編3作。
  「死を賭けるか?」 継父と、死と大金を賭けた契約を結んだ化学者。「死を賭けた」契約の顛末は・・5点。
  「あずまやの悪魔」 レコードと銃声をいかにもなミスディレクションにした、射殺犯Who 4点。
  「死んでいた男」 己の死亡記事を読んだ帰国男・・・ぼくは幽霊なのか・・4点。
  「死への扉」 嵐の夜の森、幽霊旧邸の如き宿屋の密室に現れる「圧殺怪物」の正体は・・7点。
  「黒い塔の恐怖」 旧館の塔の最上階密室に現れる「両眼を抉る妖怪」の正体や如何に・・7点。
で、平均、(5+4+4+7+7)÷5=5.4、が、作品以外にホームズパロディとミステリエッセイのオマケが付き、点数もオマケして6点。

No.4 4点 弾十六
(2018/10/27 09:37登録)
JDC/CDファン評価★★★☆☆
ダグラス グリーン編の埋もれたカー作品集(1980)の翻訳後半(前半はカー短編全集4)
本書の目玉は「史上最高のゲーム」(1946) 探偵小説の理想を述べたエッセイ(幻のアンソロジーの序文)で、これを読むとJDC/CDは「小説なんてどーでも良い」と考えていたことが判ります。あくまでも作者と読者の対決が主眼なんですね。でも「お前が言うな」と言いたくなることも平気で書いてます。まぁ理想論ですから… この中で触れられているキャロライン ウェルズのThe Technique of the Mystery Stories(1913)はGutenbergに無料版あり。JDCのラジオドラマも無料公開のものがあるので、英語が得意ならさぞ面白いんだろうなぁと思います。収録作品には傑作はありません。でも1935年の筆力旺盛な時期に何故パルプマガジン?ある程度売れてきたので昔好きだった雑誌に売り込むか!ということだったのでしょうか。買った当時(1983)は巻末のカー書誌が便利でしたが、今は随分新しい翻訳が出ているので改訂が必要ですね。
なおp43の詩はBartholomew Dowling作The Revel(East India)、使われた銃は1917年の事件なのでM1911でしょうか。

No.3 5点
(2013/09/14 17:10登録)
ラジオドラマは2作(「死を賭けるか?」「あずまやの悪魔」)とも、冒頭から惹きつけてくれる。展開もよい。ラストはもちろん、ミステリー的オチがある。ただそのオチが物足らない。
その他の作品、「死んでいた男」「死への扉」「黒い塔の恐怖」「コンク・シングルトン卿文書事件」も似たようなもので、発端から期待を持たせてくれるが、概ねみな尻すぼみという印象。「黒い塔の恐怖」がちょっとマシなほうか。

恐怖系の物語の雰囲気はけっこう好みだし、しかも読みやすいから、読書に集中できそうなものだが、この程度の作品がつづくと、しだいに惰性で読んでしまう。そんな短編集だった。
夏の夜の怪談話として聞くのなら満足したかもしれないが、推理小説としては納得がいかず、雰囲気だけを楽しむことができた。ホラーだと思えばいいか。

小説部門がほどほどな出来なので、エッセイや書誌、乱歩の「カー問答」を抱き合わせて売ってやれ、という目論見だったのでしょうか。たしかにこれらがあれば、コアなファンなら見逃さないでしょう。

No.2 5点 kanamori
(2010/07/01 22:56登録)
カー短編全集の第5弾。
ごった煮のような収録作品で、ラジオドラマの脚本、オカルトものなどは、あまり好みの内容ではありませんでした。
乱歩の「カー問答」は楽しめましたが。

No.1 5点 Tetchy
(2008/12/25 14:56登録)
通常の短編2編に加え、ラジオドラマ版短編2編にシャーロック・ホームズのパロディ1編、エッセイが2編に江戸川乱歩の有名なエッセイ「カー問答」が収録された、雑多な内容。

それぞれの短編の導入部は面白いものの、読後感は普通ないし佳作といったもの。
乱歩の「カー問答」がお宝といえばお宝か。

まああ、コレクターズアイテムであるのは間違いない。

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